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中尉汲黯進曰凡王者作樂

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中尉汲黯進曰凡王者作樂

漢中尉汲黯が進み出て曰く、「凡(およ)そ王者が楽を作るは、

上以承祖宗下以化兆民

上は祖宗を承(うけたまわ)るを以ってし、下は万民を教化するを以ってします。

今陛下得馬詩以為歌

今、陛下は馬を得て、詩にして歌を作るを以ってし、

協於宗廟先帝百姓豈能知其音邪

宗廟に協和させようとしていますが、先帝や百姓がどうしてその音を理解できるでしょうか」と。

上默然不說丞相公孫弘曰

上(漢孝武帝劉徹)は黙然(もくぜん)とだまりこんで悦(よろこ)ばなかった。漢丞相公孫弘が曰く、

黯誹謗聖制當族

「汲黯は聖制を誹謗(ひぼう)した。族刑に当たる」と。

凡音之起由人心生也

凡(およ)そ音(おん メロディー?)の起こるは、人の心(こころ)由(よ)り生(しょう)ずるのである。

人心之動物使之然也

人の心が動けば、物にこれをして然(しか)りである。

感於物而動故形於聲

物に於いて感じさせて動かせば、故(ゆえ)に響(ひび)きに於いて形(かたち)になる。

聲相應故生變變成方謂之音

響(ひび)きが相(あい)応じあって、故(ゆえ)に変化が生(しょう)じ、変化が並(なら)ぶを成(な)して、これを音(おん メロディー?)と謂(い)う。

比音而樂之及干戚羽旄謂之樂也

この音(おん メロディー?)にしてこれを楽(がく リズム?)するは、たて、まさかり、羽(はね)、旄(毛をつけた旗)に及んで、これを楽(がく リズム?)と謂(い)うのである。

樂者音之所由生也其本在人心感於物也

楽(がく リズム?)とは、音(おん メロディー?)の生(しょう)ずるに由(よ)るところであり、その本(もと)は人の心に在(あ)り、物に対して動かせるからである。

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