是故刑罰省而威行如流
これ故(ゆえ)に刑罰が省(はぶ)かれても威(い)が流れるが如(ごと)く行くのは、
無他故焉由其道故也
他(ほか)故(ゆえ)は無く、その道(みち)故(ゆえ)に由(よ)るからである。
故由其道則行不由其道則廢
故(ゆえ)にその道に由(よ)れば行われ、その道に由(よ)らなければ廃(すた)れる。
古者帝堯之治天下也
古(いにしえ)の帝堯の天下を治するは、
蓋殺一人刑二人而天下治
思うに一人を殺して二人を刑(けい)して天下が治(おさ)まった。
傳曰威而不試刑措而不用
伝に曰く、「威(い)はみがかれて試(ため)されず、刑は据(す)えられて用いられず」と。
天地者生之本也
天、地とは生命の本(もと)である。
先祖者類之本也
先祖(せんぞ)とは、同類の本(もと)である。
君師者治之本也
君師とは、治(ち)の本(もと)である。
無天地惡生無先祖惡出
天、地が生命をにくむことは無く、先祖(せんぞ)は出(い)でるをにくむことは無く、
無君師惡治三者偏亡則無安人
君師は治(ち)をにくむことは無い。三者が遍(あまね)く(偏=遍?)亡くなれば、人を安んずることが無くなる。
故禮上事天下事地
故(ゆえ)に礼は、上は天(てん)に仕(つか)え下は地(ち)に仕(つか)え、
尊先祖而隆君師是禮之三本也
先祖(せんぞ)を尊びて、君師を高める。これが礼の三つの本(もと)なのである。
故王者天太祖諸侯不敢懷
故(ゆえ)に王者は太祖(たいそ)を天の神とし、諸侯は敢(あ)えて(先祖を神として?)懐(いだ)かず、
大夫士有常宗所以辨貴賤
大夫、士は普通の宗廟(そうびょう)を有(ゆう)し、貴賎(きせん)を区別する所以(ゆえん)である。
貴賤治得之本也
貴賎(きせん)の治(ち)は、これを得る本(もと)である。
郊疇乎天子社至乎諸侯
郊は天子にむくい、社(やしろ)は諸侯に至り、
函及士大夫所以辨尊者事尊
函(はこ)は士、大夫に及ぶは、尊い者は尊いものに仕(つか)え、
卑者事卑宜鉅者鉅宜小者小
身分のひくい者はひくいものに仕(つか)え、宜(よろ)しく大するべきは大し、宜(よろ)しく小するべきものは小することを区別する所以(ゆえん)である。
これ故(ゆえ)に刑罰が省(はぶ)かれても威(い)が流れるが如(ごと)く行くのは、
無他故焉由其道故也
他(ほか)故(ゆえ)は無く、その道(みち)故(ゆえ)に由(よ)るからである。
故由其道則行不由其道則廢
故(ゆえ)にその道に由(よ)れば行われ、その道に由(よ)らなければ廃(すた)れる。
古者帝堯之治天下也
古(いにしえ)の帝堯の天下を治するは、
蓋殺一人刑二人而天下治
思うに一人を殺して二人を刑(けい)して天下が治(おさ)まった。
傳曰威而不試刑措而不用
伝に曰く、「威(い)はみがかれて試(ため)されず、刑は据(す)えられて用いられず」と。
天地者生之本也
天、地とは生命の本(もと)である。
先祖者類之本也
先祖(せんぞ)とは、同類の本(もと)である。
君師者治之本也
君師とは、治(ち)の本(もと)である。
無天地惡生無先祖惡出
天、地が生命をにくむことは無く、先祖(せんぞ)は出(い)でるをにくむことは無く、
無君師惡治三者偏亡則無安人
君師は治(ち)をにくむことは無い。三者が遍(あまね)く(偏=遍?)亡くなれば、人を安んずることが無くなる。
故禮上事天下事地
故(ゆえ)に礼は、上は天(てん)に仕(つか)え下は地(ち)に仕(つか)え、
尊先祖而隆君師是禮之三本也
先祖(せんぞ)を尊びて、君師を高める。これが礼の三つの本(もと)なのである。
故王者天太祖諸侯不敢懷
故(ゆえ)に王者は太祖(たいそ)を天の神とし、諸侯は敢(あ)えて(先祖を神として?)懐(いだ)かず、
大夫士有常宗所以辨貴賤
大夫、士は普通の宗廟(そうびょう)を有(ゆう)し、貴賎(きせん)を区別する所以(ゆえん)である。
貴賤治得之本也
貴賎(きせん)の治(ち)は、これを得る本(もと)である。
郊疇乎天子社至乎諸侯
郊は天子にむくい、社(やしろ)は諸侯に至り、
函及士大夫所以辨尊者事尊
函(はこ)は士、大夫に及ぶは、尊い者は尊いものに仕(つか)え、
卑者事卑宜鉅者鉅宜小者小
身分のひくい者はひくいものに仕(つか)え、宜(よろ)しく大するべきは大し、宜(よろ)しく小するべきものは小することを区別する所以(ゆえん)である。