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Channel: 倭人伝を解く
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楚已亡龍且

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楚已亡龍且項王恐使盱眙人武涉往說齊王信曰

楚はすでに楚将龍且を亡(な)くし、項王(項羽)は恐れ、盱眙人の武涉をして往(ゆ)かせ、斉王韓信を説(と)かせた、曰く、

天下共苦秦久矣相與力擊秦秦已破計功割地

「天下は共(とも)に秦に苦しむこと久(ひさ)しく、相(あい)ともに力をつくして秦を撃(う)った。秦はすでに破(やぶ)れ、功績を計(はか)り、地を割(さ)き、

分土而王以休士卒

土地を分けてこれを王にし、士卒を休ませるを以ってした。

今漢王復興兵而東侵人之分奪人之地已破

今、漢王劉邦はまた兵を興(おこ)して東に進み、人の分野を侵(おか)し、人の地を奪(うば)い、破(やぶ)り終えると、

引兵出關收諸侯之兵以東擊楚其意非盡吞天下者不休

兵を引いて関を出て、諸侯の兵を収(おさ)めて東へ楚を撃(う)つを以ってした。その意(い)は天下を呑(の)み尽(つ)くさなければ休まず、

其不知厭足如是甚也且漢王不可必身居項王掌握中數

その飽(あ)き足りることを知らずはこの如(ごと)く甚(はなは)だしいのである。且(か)つ漢王劉邦は必ずしも勝つことができず、身(み)は項王(項羽)の掌握(しょうあく)した中に居(お)ることたびたびで、

項王憐而活之然得脫輒倍約復擊項王其不可親信如此

項王(項羽)は憐(あわ)れみてこれを活(い)かし、然(しか)るに脱出することを得たが、そのたびごとに約束にそむき、また項王(項羽)を撃(う)ち、その、この如(ごと)くを親しみ信ずることはできない。

今足下雖自以與漢王為厚交為之盡力用兵

今、足下(斉王韓信)が自(みずか)ら漢王劉邦と厚(あつ)い交(まじ)わりを為そうと思ったと雖(いえど)も、この為(ため)に力を尽くして兵を用(もち)い、

終為之所禽矣足下所以得須臾至今

終いにはこの擒(とりこ)とするところと為るだろう。足下(斉王韓信)がゆったりとなにもせずに今に至ることができたわけは

以項王尚存也當今二王之事權在足下

項王(項羽)を以って尚(なお)存(ながら)えているのだ。まさに今、二王(漢王、項王)の事のはかりのおもりは足下(斉王韓信)に在(あ)る。

足下右投則漢王勝左投則項王勝

足下(斉王韓信)が右に(おもりを)投げれば漢王劉邦が勝ち、左に(おもり)を投げれば、項王(項羽)が勝つ。

項王今日亡則次取足下

項王が今日亡(ほろ)べば、次(つぎ)は足下(斉王韓信)を取るのだ。

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