明庶風居東方明庶者明眾物盡出也
明庶風が東方に居(い)る。明庶とは、衆物を明らかにして尽(ことごと)く出す、である。
二月也律中夾鐘
二月(旧暦二月)であり、律(音の高さ)は夾鐘に中(あた)る。
夾鐘者言陰陽相夾廁也
夾鐘とは、陰陽が相(あい)夾廁(そばに近寄る)するを言うのである。
其於十二子為卯卯之為言茂也言萬物茂也
その十二支に於いては卯(うさぎ)と為し、卯は茂(しげ)るを言うとするのであり、万物の茂る、を言うのである。
其於十母為甲乙甲者言萬物剖符甲而出也
その十母に於いては甲乙と為す。甲とは、万物が甲(殻(から))を二つに割って出(い)でる、を言うのである。
乙者言萬物生軋軋也南至于氐者
乙とは、万物が軋軋(あつあつ)と群がり生ずる、を言うのである。南に進むと氐というものに至る。
氐者言萬物皆至也南至於亢
氐とは、万物が皆(みな)至る、を言うのである。南に進むと亢に至る。
亢者言萬物亢見也南至于角
亢とは、万物があがり現われる、を言うのである。南に進むと角に至る。
角者言萬物皆有枝格如角也
角とは、万物が皆(みな)枝格(長い枝)を有(ゆう)して角(つの)の如(ごと)くである、を言うのである。
三月也律中姑洗姑洗者言萬物洗生
三月(旧暦三月)であり、律(音の高さ)は姑洗に中(あた)る。姑洗とは、万物が洗(あら)われ生ずる、を言う。
其於十二子為辰辰者言萬物之蜄也
その十二支は辰(たつ)と為す。辰とは、万物が蜄(ゆれうごく)、を言うのである。
清明風居東南維主風吹萬物而西之
清明風は東南のすじみちに居(お)り、万物に吹く風をつかさどりて、これを西に進むと、
[至於]軫軫者言萬物益大而軫軫然
軫に至る。軫とは、万物が益々(ますます)大きくなって軫軫然(しんしんぜん)と動く、を言う。
西至於翼翼者言萬物皆有羽翼也
西にすすむと翼に至る。翼とは、万物が皆(みな)羽翼(はね、つばさ)を有(ゆう)する、を言うのである。
四月也律中中呂
四月(旧暦四月)であり、律(音の高さ)は中呂に中(あた)る。
中呂者言萬物盡旅而西行也
中呂とは、万物が尽(ことごと)く旅して西に行く、を言うのである。
其於十二子為巳巳者言陽氣之已盡也
その十二支に於いては巳(へび)と為す。巳とは、陽気が尽くし終わる、を言うのである。
西至于七星七星者陽數成於七故曰七星
西に進むと七星に至る。七星とは、陽の数が七に成る、で故(ゆえ)に曰く、七星、と。
西至于張張者言萬物皆張也
西に進むと張に至る。張とは、万物が皆(みな)ひろがる、を言うのである。
西至于注注者言萬物之始衰
西に進むと注に至る。注とは、万物が衰(おとろ)え始まる、を言い、
陽氣下注故曰注五月也律中蕤賓
陽気が下に注(そそ)がれ、故(ゆえ)に曰く、注、と。五月(旧暦五月)であり、律(音の高さ)は蕤賓に中(あた)る。
蕤賓者言陰氣幼少故曰蕤
蕤賓とは、陰気が幼少、を言い、故(ゆえ)に曰く、蕤(花のしべ)、と。
痿陽不用事故曰賓
陽を萎(な)えさせて事に用いられず、故(ゆえ)に曰く、賓(擯(しりぞける)?)、と。
景風居南方景者言陽氣道竟故曰景風
景風は南方に居(い)る。景とは、陽気の道がきわまる、を言い、故(ゆえ)に曰く、景風(景(けい)=竟(けい)、と。
其於十二子為午
その十二支に於いては午(うま)と為す。
午者陰陽交故曰午
午とは、陰陽が交(まじ)わり、故(ゆえ)に曰く、午(十文字にまじわる)、と。
其於十母為丙丁
その十母に於いては丙丁と為す。
丙者言陽道著明故曰丙
丙とは、陽の道が著明(いちじるしく明らか、を言い、故(ゆえ)に曰く、丙(あきらか)、と。
丁者言萬物之丁壯也故曰丁
丁とは、万物の丁壯(つよい)、言うのであり、故(ゆえ)に曰く、丁(つよい)、と。
西至于弧弧者言萬物之吳落且就死也
西に進むと孤に至る。孤とは、万物が呉落(さわがしく落ちる)てまさに死に就(つ)かんとする、を言うのである。
西至于狼狼者
西に進むと狼に至る。狼とは、
言萬物可度量斷萬物故曰狼
万物は度量(たくりょう 物をはかる)すべき、を言い、万物を断(た)つ、故(ゆえ)に曰く、狼(=量)、と。
明庶風が東方に居(い)る。明庶とは、衆物を明らかにして尽(ことごと)く出す、である。
二月也律中夾鐘
二月(旧暦二月)であり、律(音の高さ)は夾鐘に中(あた)る。
夾鐘者言陰陽相夾廁也
夾鐘とは、陰陽が相(あい)夾廁(そばに近寄る)するを言うのである。
其於十二子為卯卯之為言茂也言萬物茂也
その十二支に於いては卯(うさぎ)と為し、卯は茂(しげ)るを言うとするのであり、万物の茂る、を言うのである。
其於十母為甲乙甲者言萬物剖符甲而出也
その十母に於いては甲乙と為す。甲とは、万物が甲(殻(から))を二つに割って出(い)でる、を言うのである。
乙者言萬物生軋軋也南至于氐者
乙とは、万物が軋軋(あつあつ)と群がり生ずる、を言うのである。南に進むと氐というものに至る。
氐者言萬物皆至也南至於亢
氐とは、万物が皆(みな)至る、を言うのである。南に進むと亢に至る。
亢者言萬物亢見也南至于角
亢とは、万物があがり現われる、を言うのである。南に進むと角に至る。
角者言萬物皆有枝格如角也
角とは、万物が皆(みな)枝格(長い枝)を有(ゆう)して角(つの)の如(ごと)くである、を言うのである。
三月也律中姑洗姑洗者言萬物洗生
三月(旧暦三月)であり、律(音の高さ)は姑洗に中(あた)る。姑洗とは、万物が洗(あら)われ生ずる、を言う。
其於十二子為辰辰者言萬物之蜄也
その十二支は辰(たつ)と為す。辰とは、万物が蜄(ゆれうごく)、を言うのである。
清明風居東南維主風吹萬物而西之
清明風は東南のすじみちに居(お)り、万物に吹く風をつかさどりて、これを西に進むと、
[至於]軫軫者言萬物益大而軫軫然
軫に至る。軫とは、万物が益々(ますます)大きくなって軫軫然(しんしんぜん)と動く、を言う。
西至於翼翼者言萬物皆有羽翼也
西にすすむと翼に至る。翼とは、万物が皆(みな)羽翼(はね、つばさ)を有(ゆう)する、を言うのである。
四月也律中中呂
四月(旧暦四月)であり、律(音の高さ)は中呂に中(あた)る。
中呂者言萬物盡旅而西行也
中呂とは、万物が尽(ことごと)く旅して西に行く、を言うのである。
其於十二子為巳巳者言陽氣之已盡也
その十二支に於いては巳(へび)と為す。巳とは、陽気が尽くし終わる、を言うのである。
西至于七星七星者陽數成於七故曰七星
西に進むと七星に至る。七星とは、陽の数が七に成る、で故(ゆえ)に曰く、七星、と。
西至于張張者言萬物皆張也
西に進むと張に至る。張とは、万物が皆(みな)ひろがる、を言うのである。
西至于注注者言萬物之始衰
西に進むと注に至る。注とは、万物が衰(おとろ)え始まる、を言い、
陽氣下注故曰注五月也律中蕤賓
陽気が下に注(そそ)がれ、故(ゆえ)に曰く、注、と。五月(旧暦五月)であり、律(音の高さ)は蕤賓に中(あた)る。
蕤賓者言陰氣幼少故曰蕤
蕤賓とは、陰気が幼少、を言い、故(ゆえ)に曰く、蕤(花のしべ)、と。
痿陽不用事故曰賓
陽を萎(な)えさせて事に用いられず、故(ゆえ)に曰く、賓(擯(しりぞける)?)、と。
景風居南方景者言陽氣道竟故曰景風
景風は南方に居(い)る。景とは、陽気の道がきわまる、を言い、故(ゆえ)に曰く、景風(景(けい)=竟(けい)、と。
其於十二子為午
その十二支に於いては午(うま)と為す。
午者陰陽交故曰午
午とは、陰陽が交(まじ)わり、故(ゆえ)に曰く、午(十文字にまじわる)、と。
其於十母為丙丁
その十母に於いては丙丁と為す。
丙者言陽道著明故曰丙
丙とは、陽の道が著明(いちじるしく明らか、を言い、故(ゆえ)に曰く、丙(あきらか)、と。
丁者言萬物之丁壯也故曰丁
丁とは、万物の丁壯(つよい)、言うのであり、故(ゆえ)に曰く、丁(つよい)、と。
西至于弧弧者言萬物之吳落且就死也
西に進むと孤に至る。孤とは、万物が呉落(さわがしく落ちる)てまさに死に就(つ)かんとする、を言うのである。
西至于狼狼者
西に進むと狼に至る。狼とは、
言萬物可度量斷萬物故曰狼
万物は度量(たくりょう 物をはかる)すべき、を言い、万物を断(た)つ、故(ゆえ)に曰く、狼(=量)、と。