涼風居西南維主地地者沈奪萬物氣也
涼風は西南のすじみちに居(い)て、地を主(つかさどる)する。地とは、万物の気を奪(うば)うのである。
六月也律中林鐘林鐘者言萬物就死氣林林然
六月(旧暦六月)であり、律(音の高さ)は林鐘に中(あた)る。林鐘とは、万物が死気に林林然(りんりんぜん 数多いさま)と就(つ)くことを言う。
其於十二子為未未者言萬物皆成有滋味也
その十二支は未(ひつじ)と為す。未とは、万物が皆(みな)成(な)ることを言い、滋味(じみ)が有る、を言うのである。
北至於罰罰者言萬物氣奪可伐也
北に進むと罰に至る。罰とは、万物の気が奪(うば)われて伐採(ばっさい)することができる、を言うのである。
北至於參參言萬物可參也故曰參
北に進むと参に至る。参は万物が参(剗(さん)?けずる 刈り取る)するべき、を言うのであり、故(ゆえ)に曰く、参、と。
七月也律中夷則夷則言陰氣之賊萬物也
七月(旧暦七月)であり、律(音の高さ)は夷則に中(あた)る。夷則は陰気が万物を賊(そこなう)する、を言うのである。
其於十二子為申申者言陰用事申賊萬物故曰申
その十二支に於いては申(さる)と為す。申とは、陰が事に用いられ、申が万物を賊(そこなう)する、を言い、故(ゆえ)に曰く、申(侵(しん)?)と。
北至於濁濁者觸也言萬物皆觸死也故曰濁
北に進むと濁に至る。濁とは、触(けがす おかす)であり、万物が皆(みな)触(けがす おかす)されて死する、を言うのであり、故(ゆえ)に曰く、濁(蝕)、と。
北至於留留者言陽氣之稽留也故曰留
北に進むと留に至る、留とは、陽気の稽留(けいりゅう ひきとめて残らせる)、を言うのであり、故(ゆえ)に曰く、留、と。
八月也律中南呂南呂者言陽氣之旅入藏也
八月(旧暦八月)であり、律(音の高さ)は南呂に中(あた)る。南呂とは、陽気が旅して蔵(くら)に入る、を言うのである。
其於十二子為酉酉者萬物之老也故曰酉
その十二支に於いては酉(とり)と為す。酉とは、万物の老(お)いであり、故(ゆえ)に曰く、酉(熟する)、と。
閶闔風居西方閶者倡也闔者藏也
閶闔風は西方に居(い)る。閶とは、倡(先導する)であり、闔とは蔵(くら)である。
言陽氣道萬物闔黃泉也
陽気が万物を導(みちび)く、を言い、黄泉(よみ)に闔(しまう)するのである。
其於十母為庚辛庚者言陰氣庚萬物故曰庚
その十母に於いては庚辛と為す。庚とは、陰気が万物を庚(かわる)する、を言い、故(ゆえ)に曰く、庚(更(こう))、と。
辛者言萬物之辛生故曰辛北至於胃
辛とは、万物が生を辛(つら)くする、を言い、故(ゆえ)に曰く、辛、と。北に進むと胃に至る。
胃者言陽氣就藏皆胃胃也
胃とは、陽気が蔵(くら)に就(つ)いて、皆胃胃(委委(いい 起居動作のゆったりとしたさま)?)とする、を言うのである。
北至於婁婁者呼萬物且內之也
北に進むと婁に至る。婁とは、万物をまさに内(うち)に入れようとして呼びよせる、である。
北至於奎奎者主毒螫殺萬物也奎而藏之
北に進むと奎に至る。奎とは、毒螫(どくへび)が万物を殺す、を主(つかさどる)するのであり、奎にしてこれを蔵(おさめる)するのである。
九月也律中無射無射者陰氣盛用事
九月(旧暦九月)であり、律(音の高さ)は無射に中(あた)る。無射とは、陰気が盛んで事に用いられ、
陽氣無餘也故曰無射
陽気は余(あま)り無く、故(ゆえ)に曰く、無射(射(や)=余(よ))、と。
其於十二子為戌戌者言萬物盡滅故曰戌
その十二支に於いては戌(いぬ)と為す。戌とは、万物が尽(ことごと)く滅ぶ、を言い、故(ゆえ)に曰く、戌 (=卒(しゅつ)?)、と。
涼風は西南のすじみちに居(い)て、地を主(つかさどる)する。地とは、万物の気を奪(うば)うのである。
六月也律中林鐘林鐘者言萬物就死氣林林然
六月(旧暦六月)であり、律(音の高さ)は林鐘に中(あた)る。林鐘とは、万物が死気に林林然(りんりんぜん 数多いさま)と就(つ)くことを言う。
其於十二子為未未者言萬物皆成有滋味也
その十二支は未(ひつじ)と為す。未とは、万物が皆(みな)成(な)ることを言い、滋味(じみ)が有る、を言うのである。
北至於罰罰者言萬物氣奪可伐也
北に進むと罰に至る。罰とは、万物の気が奪(うば)われて伐採(ばっさい)することができる、を言うのである。
北至於參參言萬物可參也故曰參
北に進むと参に至る。参は万物が参(剗(さん)?けずる 刈り取る)するべき、を言うのであり、故(ゆえ)に曰く、参、と。
七月也律中夷則夷則言陰氣之賊萬物也
七月(旧暦七月)であり、律(音の高さ)は夷則に中(あた)る。夷則は陰気が万物を賊(そこなう)する、を言うのである。
其於十二子為申申者言陰用事申賊萬物故曰申
その十二支に於いては申(さる)と為す。申とは、陰が事に用いられ、申が万物を賊(そこなう)する、を言い、故(ゆえ)に曰く、申(侵(しん)?)と。
北至於濁濁者觸也言萬物皆觸死也故曰濁
北に進むと濁に至る。濁とは、触(けがす おかす)であり、万物が皆(みな)触(けがす おかす)されて死する、を言うのであり、故(ゆえ)に曰く、濁(蝕)、と。
北至於留留者言陽氣之稽留也故曰留
北に進むと留に至る、留とは、陽気の稽留(けいりゅう ひきとめて残らせる)、を言うのであり、故(ゆえ)に曰く、留、と。
八月也律中南呂南呂者言陽氣之旅入藏也
八月(旧暦八月)であり、律(音の高さ)は南呂に中(あた)る。南呂とは、陽気が旅して蔵(くら)に入る、を言うのである。
其於十二子為酉酉者萬物之老也故曰酉
その十二支に於いては酉(とり)と為す。酉とは、万物の老(お)いであり、故(ゆえ)に曰く、酉(熟する)、と。
閶闔風居西方閶者倡也闔者藏也
閶闔風は西方に居(い)る。閶とは、倡(先導する)であり、闔とは蔵(くら)である。
言陽氣道萬物闔黃泉也
陽気が万物を導(みちび)く、を言い、黄泉(よみ)に闔(しまう)するのである。
其於十母為庚辛庚者言陰氣庚萬物故曰庚
その十母に於いては庚辛と為す。庚とは、陰気が万物を庚(かわる)する、を言い、故(ゆえ)に曰く、庚(更(こう))、と。
辛者言萬物之辛生故曰辛北至於胃
辛とは、万物が生を辛(つら)くする、を言い、故(ゆえ)に曰く、辛、と。北に進むと胃に至る。
胃者言陽氣就藏皆胃胃也
胃とは、陽気が蔵(くら)に就(つ)いて、皆胃胃(委委(いい 起居動作のゆったりとしたさま)?)とする、を言うのである。
北至於婁婁者呼萬物且內之也
北に進むと婁に至る。婁とは、万物をまさに内(うち)に入れようとして呼びよせる、である。
北至於奎奎者主毒螫殺萬物也奎而藏之
北に進むと奎に至る。奎とは、毒螫(どくへび)が万物を殺す、を主(つかさどる)するのであり、奎にしてこれを蔵(おさめる)するのである。
九月也律中無射無射者陰氣盛用事
九月(旧暦九月)であり、律(音の高さ)は無射に中(あた)る。無射とは、陰気が盛んで事に用いられ、
陽氣無餘也故曰無射
陽気は余(あま)り無く、故(ゆえ)に曰く、無射(射(や)=余(よ))、と。
其於十二子為戌戌者言萬物盡滅故曰戌
その十二支に於いては戌(いぬ)と為す。戌とは、万物が尽(ことごと)く滅ぶ、を言い、故(ゆえ)に曰く、戌 (=卒(しゅつ)?)、と。