神生於無形成於有形然後數
神は無(む)より生まれ、形(かたち)は有(ゆう)より成(な)り、形は然(しか)る後に数になり、
形而成聲故曰神使氣氣就形
形にして声(響き)を成し、故(ゆえ)に曰く、神が気(き)をつかわし、気(き)が形(かたち)に就(つ)いた、と。
形理如類有可類或未形而未類
形(かたち)の道理(どうり)は、同類の如(ごと)くは、分類するべきを有(ゆう)する。或(あ)るものは未(ま)だ形(かたち)にならずして、未(ま)だ分類されず、
或同形而同類類而可班類而可識
或(あ)るものは形(かたち)を同じにして分類を同じにしている。同類にして分けるべきで、同類にして標(しる)すべきである。
聖人知天地識之別故從有以至未有
聖人は天地の識別(しきべつ)を知って、故(ゆえ)に有るものから、未(ま)だないものに至るまでを以って、
以得細若氣微若聲
小さく弱い気(き)、微弱(びじゃく)な声(ひびき)を得るを以ってする。
然聖人因神而存之雖妙必效情
然(しか)るに聖人は、神にしてこれを存(ある)させるに因(よ)りて、妙(非常に小さい)と雖(いえど)も、必ず情(じょう)を効(明らかにする)し、
核其華道者明矣非有聖心以乘聰明
その華道(美しく奥深い道)を核(ただす)する。聖なる心で有らざれば聡明(そうめい)に乗(じょう)ずるを以って、
孰能存天地之神而成形之情哉
いずれが天地の神を存(ある)させて情(じょう)を形(かたち)に成(な)すことができようかな。
神者物受之而不能知(及)其去來
神とは、物が授(さず)けられるにして、その去来(きょらい)を知ることができない。
故聖人畏而欲存之唯欲存之神之亦存
故(ゆえ)に聖人は畏(おそ)れてこれを存(保存)することを欲する。唯(ただ)これを存(保存)することを欲するのみで、神もまた存(ある)する。
其欲存之者故莫貴焉
その存(保存)を欲するのは、故(ゆえ)に大いに貴(とうと)いのである。
太史公曰(故)[在]旋璣玉衡以齊七政即天地二十八宿
太史公曰く、「璿璣(せんき 天文を測る機械)玉衡(璣衡きこう 球体の表面に天文をえがきこれを回転させて天文を観測する機械 )は七政(七正)を整えるを以ってし、すなわち天地二十八宿、
十母十二子鐘律調自上古
十母(十干)、十二支、鐘(かね)の調律(ちょうりつ)は上古(じょうこ)よりである。
建律運歷造日度可據而度也
律(音の高さ)を建てて、歴(暦 天体の運行)を運(はこ)び、日(ひ)の度(ど)を造(つく)るは、拠(もとづく)にして度(はかる)するべきである。
合符節通道即從斯之謂也
符節を合わせ、道徳を通(かよ)わせるは、すなわちこれよりのことを謂(い)うのである」と。
史記 律書は今日で終わりです。明日からは史記 歴書に入ります。
神は無(む)より生まれ、形(かたち)は有(ゆう)より成(な)り、形は然(しか)る後に数になり、
形而成聲故曰神使氣氣就形
形にして声(響き)を成し、故(ゆえ)に曰く、神が気(き)をつかわし、気(き)が形(かたち)に就(つ)いた、と。
形理如類有可類或未形而未類
形(かたち)の道理(どうり)は、同類の如(ごと)くは、分類するべきを有(ゆう)する。或(あ)るものは未(ま)だ形(かたち)にならずして、未(ま)だ分類されず、
或同形而同類類而可班類而可識
或(あ)るものは形(かたち)を同じにして分類を同じにしている。同類にして分けるべきで、同類にして標(しる)すべきである。
聖人知天地識之別故從有以至未有
聖人は天地の識別(しきべつ)を知って、故(ゆえ)に有るものから、未(ま)だないものに至るまでを以って、
以得細若氣微若聲
小さく弱い気(き)、微弱(びじゃく)な声(ひびき)を得るを以ってする。
然聖人因神而存之雖妙必效情
然(しか)るに聖人は、神にしてこれを存(ある)させるに因(よ)りて、妙(非常に小さい)と雖(いえど)も、必ず情(じょう)を効(明らかにする)し、
核其華道者明矣非有聖心以乘聰明
その華道(美しく奥深い道)を核(ただす)する。聖なる心で有らざれば聡明(そうめい)に乗(じょう)ずるを以って、
孰能存天地之神而成形之情哉
いずれが天地の神を存(ある)させて情(じょう)を形(かたち)に成(な)すことができようかな。
神者物受之而不能知(及)其去來
神とは、物が授(さず)けられるにして、その去来(きょらい)を知ることができない。
故聖人畏而欲存之唯欲存之神之亦存
故(ゆえ)に聖人は畏(おそ)れてこれを存(保存)することを欲する。唯(ただ)これを存(保存)することを欲するのみで、神もまた存(ある)する。
其欲存之者故莫貴焉
その存(保存)を欲するのは、故(ゆえ)に大いに貴(とうと)いのである。
太史公曰(故)[在]旋璣玉衡以齊七政即天地二十八宿
太史公曰く、「璿璣(せんき 天文を測る機械)玉衡(璣衡きこう 球体の表面に天文をえがきこれを回転させて天文を観測する機械 )は七政(七正)を整えるを以ってし、すなわち天地二十八宿、
十母十二子鐘律調自上古
十母(十干)、十二支、鐘(かね)の調律(ちょうりつ)は上古(じょうこ)よりである。
建律運歷造日度可據而度也
律(音の高さ)を建てて、歴(暦 天体の運行)を運(はこ)び、日(ひ)の度(ど)を造(つく)るは、拠(もとづく)にして度(はかる)するべきである。
合符節通道即從斯之謂也
符節を合わせ、道徳を通(かよ)わせるは、すなわちこれよりのことを謂(い)うのである」と。
史記 律書は今日で終わりです。明日からは史記 歴書に入ります。