若煙非煙若雲非雲

若煙非煙若雲非雲郁郁紛紛蕭索輪囷是謂卿雲

煙（けむり）のごとくであり煙（けむり）ではなく、雲のごとくであり雲ではなく、郁郁紛紛（盛んなさま）と、蕭索（しょうさく　まつわりまといつくさま）輪囷（りんきん　高く大きいさま）して、これは、卿雲と謂（い）う。

卿雲［見］喜氣也

卿雲は喜びの気である。

若霧非霧衣冠而不濡見則其域被甲而趨

霧（きり）のごとくであり、霧（きり）ではなく、衣冠（いかん）にして濡（ぬ）れず、現われれば、その域（いき）は、甲（よろい）を被（かぶ）りて趨（すう　走る）。

（天）［夫］雷電蝦虹辟歷夜明者陽氣之動者也

天の雷電（らいでん）、蝦虹（蝦（えび）のように湾曲した虹（にじ））、霹靂（へきれき　かみなりが落ちる）、夜明けとは、陽気（ようき）の動（どう）のものであり、

春夏則發秋冬則藏故候者無不司之

春、夏になれば発され、秋、冬になれば、蔵（しまわれる）され、故（ゆえ）に候（うがかう）者はこれを伺（うかが）わないものは無い。