天子微諸侯力政五伯代興更為主命
天子は微(衰(おとろ)える)し、諸侯は力政して、五伯が代わって興(おこ)り、改めて主命と為り、
自是之後眾暴寡大并小
是よりの後、衆(多い)が寡(少ない)を暴(荒らす)し、大は小を併(あわ)せた。
秦楚吳越夷狄也為彊伯
秦、楚、吳、越は狄(異民族)を夷(たいらげる)し、彊伯と為った。
田氏篡齊三家分晉并為戰國
田氏は斉を篡(臣下が君主の位をうばいとる)し、三家は晋を分け、並んで戦国と為った。
爭於攻取兵革更起城邑數屠
攻め取ることを争い、兵革は更(さら)に起こり、城邑はたびたび屠(ほふる)られた。
因以饑饉疾疫焦苦臣主共憂患
因(よ)りて、飢饉(ききん)、疾疫、焦苦を以って、臣下と主(あるじ)は共(とも)に憂患(うれえる)した。
其察禨祥候星氣尤急
その禨祥(たたりとさいわい)を察し、星と気(雲気)を候(うかがう)するのが最も急がれた。
近世十二諸侯七國相王言從衡者繼踵
近世、十二諸侯、七国は相(あいたがいに)王になり、合従説、連衡説を言う者は継踵(あとからあとからといたる)し、
而皋唐甘石因時務論其書傳故其占驗淩雜米鹽
しこうして、皋氏、唐氏、甘氏、石氏は時(とき)に因(よ)りてその書伝を論ずることに務(つと)め、故(ゆえ)にその占験(せんけん)は米塩(めんどうなことのたとえ 細かなこと)を繆雑(りょうざつ いりまじる 淩(りょう)=繆(りょう)?)した。
二十八舍主十二州斗秉兼之所從來久矣
二十八舎は十二州を主(つかさどる)し、斗(北斗七星)はこれを秉兼(あわせたばねる)し、従来(じゅうらい 今まで)するところは久(ひさ)しいのである。
秦之疆也候在太白占於狼弧
秦の疆(国境)は、太白(近世)に在(あ)るを候(うかがう)し、狼(二十八宿の一つ 律書より)、弧(二十八宿の一つ 律書より)に於いて占う。
吳楚之疆候在熒惑占於鳥衡
呉、楚の疆(国境)は、熒惑(火星)に在(あ)るを候(うかがう)し、鳥衡(南宮の朱鳥の衡)に於いて占う。
燕齊之疆候在辰星占於虛危
燕、斉の疆(国境)は辰星(水星)に在(あ)るを候(うかがう)し、虚、危に於いて占う。
宋鄭之疆候在歲星占於房心
宋、鄭の疆(国境)は、歳星(木星)に在(あ)るを候(うかがう)し、房、心に於いて占う。
晉之疆亦候在辰星占於參罰
晋の疆(国境)もまた、辰星(水星)に在(あ)るを候(うかがう)し、参、罰(二十八宿の一つ 律書より)に於いて占う。
天子は微(衰(おとろ)える)し、諸侯は力政して、五伯が代わって興(おこ)り、改めて主命と為り、
自是之後眾暴寡大并小
是よりの後、衆(多い)が寡(少ない)を暴(荒らす)し、大は小を併(あわ)せた。
秦楚吳越夷狄也為彊伯
秦、楚、吳、越は狄(異民族)を夷(たいらげる)し、彊伯と為った。
田氏篡齊三家分晉并為戰國
田氏は斉を篡(臣下が君主の位をうばいとる)し、三家は晋を分け、並んで戦国と為った。
爭於攻取兵革更起城邑數屠
攻め取ることを争い、兵革は更(さら)に起こり、城邑はたびたび屠(ほふる)られた。
因以饑饉疾疫焦苦臣主共憂患
因(よ)りて、飢饉(ききん)、疾疫、焦苦を以って、臣下と主(あるじ)は共(とも)に憂患(うれえる)した。
其察禨祥候星氣尤急
その禨祥(たたりとさいわい)を察し、星と気(雲気)を候(うかがう)するのが最も急がれた。
近世十二諸侯七國相王言從衡者繼踵
近世、十二諸侯、七国は相(あいたがいに)王になり、合従説、連衡説を言う者は継踵(あとからあとからといたる)し、
而皋唐甘石因時務論其書傳故其占驗淩雜米鹽
しこうして、皋氏、唐氏、甘氏、石氏は時(とき)に因(よ)りてその書伝を論ずることに務(つと)め、故(ゆえ)にその占験(せんけん)は米塩(めんどうなことのたとえ 細かなこと)を繆雑(りょうざつ いりまじる 淩(りょう)=繆(りょう)?)した。
二十八舍主十二州斗秉兼之所從來久矣
二十八舎は十二州を主(つかさどる)し、斗(北斗七星)はこれを秉兼(あわせたばねる)し、従来(じゅうらい 今まで)するところは久(ひさ)しいのである。
秦之疆也候在太白占於狼弧
秦の疆(国境)は、太白(近世)に在(あ)るを候(うかがう)し、狼(二十八宿の一つ 律書より)、弧(二十八宿の一つ 律書より)に於いて占う。
吳楚之疆候在熒惑占於鳥衡
呉、楚の疆(国境)は、熒惑(火星)に在(あ)るを候(うかがう)し、鳥衡(南宮の朱鳥の衡)に於いて占う。
燕齊之疆候在辰星占於虛危
燕、斉の疆(国境)は辰星(水星)に在(あ)るを候(うかがう)し、虚、危に於いて占う。
宋鄭之疆候在歲星占於房心
宋、鄭の疆(国境)は、歳星(木星)に在(あ)るを候(うかがう)し、房、心に於いて占う。
晉之疆亦候在辰星占於參罰
晋の疆(国境)もまた、辰星(水星)に在(あ)るを候(うかがう)し、参、罰(二十八宿の一つ 律書より)に於いて占う。