是歲秦繆公內晉君夷吾

是歲秦繆公內晉君夷吾

この歳、秦繆公嬴任好（または趙任好）が晋君夷吾（晋恵公姫夷吾）を内（うち）にいれた。

其後三置晉國之君平其亂繆公立三十九年而卒

その後、三度、晋国の君を置き、その乱を平らげた。秦繆公嬴任好が立って三十九年にして卒（なくなる）した。

其後百有餘年而孔子論述六藝傳略言易姓而王

その後、百と余年して、孔子が六芸を論述し、伝は、姓名を易（かえる）して王になり、

封泰山禪乎梁父者七十餘王矣其俎豆之禮不章蓋難言之

泰山で封をして梁父で禅をした者は七十余りの王であると言うは略（あらまし）であり、その俎豆（そとう）の礼は章（あきら）かではなく、思うにこれを言うは難（むずか）しいのであろう。

或問禘之說孔子曰不知知禘之說其於天下也視其掌

或（あ）るものが禘（天をまつる祭り）の節（礼義のきまり　説（せつ）＝節（せつ）？））を問うたとき、孔子曰く、「知らない。禘（天をまつる祭り）の節（礼義のきまり　説（せつ）＝節（せつ）？））を知っていれば、その天下に於いて、その掌（たなごころ）を視（み）るだろう」と。

詩云紂在位文王受命政不及泰山

詩は云（い）う、殷紂王が在位（ざいい）していたとき、周文王姫昌が天命を授（さず）かり、政（まつりごと）は泰山に及ばなかった、と。

武王克殷二年天下未寧而崩

周武王姫発が殷に克（か）って二年、天下は未（ま）だ寧（やすんじる）さずして崩（ほう）じた。

爰周之洽維成王成王之封禪則近之矣

爰（ここに）周の徳は洽（すみずみまでいきわたる）して周成王姫誦に維（つなぐ）ぎ、周成王姫誦の封禅がすなわちこれに近い（時間が近い）のである。

及後陪臣執政季氏旅於泰山仲尼譏之

その後 陪臣（ばいしん）が政（まつりごと）を執（と）り、季氏が泰山に於いて旅（まつる）し、仲尼（孔子）がこれを譏（そしる）した。