魯人公孫臣上書曰始秦得水今漢受之推終始傳則漢當土土之應黃龍見
魯人の公孫臣が上書して曰く、「始め秦は水徳を得て、今、漢はこれを受けて、終始伝を推(おしはかる)すれば、漢はまさに土徳に当たり、土徳の応(きざし)は黄龍が現われます。
宜改正朔易服色色上黃是時丞相張蒼好律歷以為漢乃水之始故河決金隄其符也
宜(よろ)しく朔(こよみ)を改正し、服色を替(か)え、色は黄色を上(とうとぶ)するべきであります」と。この時、漢丞相張蒼は律歴を好み、漢はすなわち水徳の始まりと為すを以って、故(ゆえ)に河が金隄(隄は堤)を決(切り開く)するのが、その符(しるし)であると。
年始冬十月色外內赤與相應如公孫臣言非也罷之
年始の冬十月、色は外(そと)が黒く、内(うち)が赤く、その徳と相(あい)応(おう)じ、公孫臣の言の如(ごと)くは非(正しくない)であるとして、これを罷(中止する)した。
後三歲黃龍見成紀文帝乃召公孫臣拜為博士與諸生草改歷服色事
後三年、黄龍が成紀に現われた。漢孝文帝劉恒はそこで公孫臣を召して、拝(官をさずける)して博士と為さしめ、諸(もろもろ)の儒者とともに改歷、服色の事を草(草案)させた。
其夏下詔曰異物之神見于成紀無害於民歲以有年
その夏、詔(みことのり)を下(くだ)して曰く、「異物の神が成紀に現われ、民には無害で、歳は年(作物がよくみのること)を有するを以ってする。
朕祈郊上帝諸神禮官議無諱以勞朕
朕は上帝、諸(もろもろ)の神を祇郊(土地と天の神をまつる 祈(き)=祇(き)?)する。礼官は議して、諱(はばかる)して朕を労(ねぎらう)するを以ってすることなかれ」と。
有司皆曰古者天子夏親郊祀上帝於郊故曰郊
有司(役人)は皆(みな)曰く、「古(いにしえ)の天子は夏にみずから郊(おそらく天の神をまつること)し、上帝を郊(町外れ)に於いて祀(まつ)ったので、故(ゆえ)に曰く、郊、と」と。
於是夏四月文帝始郊見雍五畤祠衣皆上赤
ここに於いて夏四月、漢孝文帝劉恒は雍の五つの畤(天を祀るところで高い山の下の小山の上)の祠(ほこら)に郊見(こうけん)を始め、衣(ころも)は皆(みな)赤を上(とうとぶ)した。
魯人の公孫臣が上書して曰く、「始め秦は水徳を得て、今、漢はこれを受けて、終始伝を推(おしはかる)すれば、漢はまさに土徳に当たり、土徳の応(きざし)は黄龍が現われます。
宜改正朔易服色色上黃是時丞相張蒼好律歷以為漢乃水之始故河決金隄其符也
宜(よろ)しく朔(こよみ)を改正し、服色を替(か)え、色は黄色を上(とうとぶ)するべきであります」と。この時、漢丞相張蒼は律歴を好み、漢はすなわち水徳の始まりと為すを以って、故(ゆえ)に河が金隄(隄は堤)を決(切り開く)するのが、その符(しるし)であると。
年始冬十月色外內赤與相應如公孫臣言非也罷之
年始の冬十月、色は外(そと)が黒く、内(うち)が赤く、その徳と相(あい)応(おう)じ、公孫臣の言の如(ごと)くは非(正しくない)であるとして、これを罷(中止する)した。
後三歲黃龍見成紀文帝乃召公孫臣拜為博士與諸生草改歷服色事
後三年、黄龍が成紀に現われた。漢孝文帝劉恒はそこで公孫臣を召して、拝(官をさずける)して博士と為さしめ、諸(もろもろ)の儒者とともに改歷、服色の事を草(草案)させた。
其夏下詔曰異物之神見于成紀無害於民歲以有年
その夏、詔(みことのり)を下(くだ)して曰く、「異物の神が成紀に現われ、民には無害で、歳は年(作物がよくみのること)を有するを以ってする。
朕祈郊上帝諸神禮官議無諱以勞朕
朕は上帝、諸(もろもろ)の神を祇郊(土地と天の神をまつる 祈(き)=祇(き)?)する。礼官は議して、諱(はばかる)して朕を労(ねぎらう)するを以ってすることなかれ」と。
有司皆曰古者天子夏親郊祀上帝於郊故曰郊
有司(役人)は皆(みな)曰く、「古(いにしえ)の天子は夏にみずから郊(おそらく天の神をまつること)し、上帝を郊(町外れ)に於いて祀(まつ)ったので、故(ゆえ)に曰く、郊、と」と。
於是夏四月文帝始郊見雍五畤祠衣皆上赤
ここに於いて夏四月、漢孝文帝劉恒は雍の五つの畤(天を祀るところで高い山の下の小山の上)の祠(ほこら)に郊見(こうけん)を始め、衣(ころも)は皆(みな)赤を上(とうとぶ)した。