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其春樂成侯上書言欒大

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其春樂成侯上書言欒大

その春、楽成侯が上書して欒大を言った。

欒大膠東宮人故嘗與文成將軍同師已而為膠東王尚方

欒大は膠東の宮人で、故嘗(以前)文成将軍少翁と師を同じくして、已而(しばらくして)膠東王の尚方(官名)と為った。

而樂成侯姊為康王后無子康王死他姬子立為王

しこうして、楽成侯の姉が膠東康王劉寄(漢孝武帝劉徹の弟)の后(きさき)と為ったが子が無かった。
膠東康王劉寄(漢孝武帝劉徹の弟)が死んで他の姫の子が王として立った。

而康后有淫行與王不相中相危以法

しこうして、康后(楽成侯の姉)に淫行が有り、膠東王と互いに不仲になり、互いに危(あや)ぶむに法(ほう)を以ってした。

康后聞文成已死而欲自媚於上乃遣欒大因樂成侯求見言方

康后(楽成侯の姉)は文成将軍少翁がすでに死んだと聞き、そこで、自ら上(漢孝武帝劉徹)に媚(こ)びようと欲し、すなわち、欒大を遣(つか)わし、因(よ)りて樂成侯が見(まみ)えることを求め方術を言った。

天子既誅文成後悔其蚤死惜其方不盡及見欒大大說

天子(漢孝武帝劉徹)はすでに文成将軍少翁を誅して、その早い死を後悔し、その方術が尽くされなかったことを惜(お)しんでおり、欒大に見(まみ)えて、大いに悦(よろこ)んだ。

大為人長美言多方略而敢為大言處之不疑

欒大の人と為りは長身の美男で、言は方略(ほうりゃく)が多く、そして、敢(あ)えて大言(たいげん)為して、これを処(しょ)するは疑(おそれる)さず。

大言曰臣常往來海中見安期羨門之屬

大言は曰く、「わたしは常に海中を往来し、安期、羨門の属(ぞく)に見(まみ)えます。

顧以臣為賤不信臣又以為康王諸侯耳不足與方

顧(かえり)みるにわたしを以って賤(いや)しいと為し、わたしを信じませんでした。また膠東康王劉寄はただの諸侯であると為すを以って方術を与(あた)えるには不足でした。

臣數言康王康王又不用臣臣之師曰

わたしはたびたび膠東康王劉寄に言いましたが、膠東康王劉寄もまたわたしを用いませんでした。わたしの師が曰く、

黃金可成而河決可塞不死之藥可得僊人可致也

黄金は成すことができ、そして河が切り開かれれば塞(ふさ)ぐことができ、不死の薬は得ることができ、仙人は致(まねく)すことができる、と。

然臣恐效文成則方士皆奄口惡敢言方哉

然(しか)るにわたしは恐れます、文成将軍少翁に效(ならう)すれば、方士は皆(みな)口を奄(おおう)することを。悪(どうして)敢(あ)えて方術を言いましょうかな」と。

上曰文成食馬肝死耳子誠能修其方我何愛乎

上(漢孝武帝劉徹)曰く、「文成(少翁)は馬の肝(きも)を食べて死んだだけである。なんじが誠(まこと)にその方術を修めることができれば、我(われ)は何を愛(お)しむだろうか」と。

大曰臣師非有求人人者求之

欒大曰く、「わたしの師は人に求めることは有りませんでした。人がこれに求めました。

陛下必欲致之則貴其使者令有親屬以客禮待之勿卑使各佩其信印乃可使通言於神人

陛下が必ずこれを致(まねく)したいと欲するならば、その使者を貴(身分が高い)して、親属に有らしめ、客令を以ってこれを待遇し、卑(いや)しむことなかれ。各(おのおの)をしてその信印を佩(お)びさせ、そこで神人に言(げん)を通(かよ)わせて使(つか)いすることができるのです。

神人尚肯邪不邪致尊其使然後可致也

神人は尚(なお)肯(承知する)や、いなや。その使者を尊(たっとぶ)に致(いた)せば、然(しか)る後に致(まねく)ことができるのであります」と。

於是上使驗小方鬬棋棋自相觸擊

ここに於いて上(漢孝武帝劉徹)は小さい方術を験(ため)させた。棋(こまを使うゲーム)を闘(たたか)わせ(孝武本紀では棋=旗)ると、棋(こま)は自ら互いに触(ふ)れて撃(う)ちあった。

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