其明年山東被水菑民多饑乏
その明くる年、山東が水菑(水害)を被(こうむ)り、民の多くが饑乏(うえてたりない)した。
於是天子遣使者虛郡國倉廥以振貧民
ここに於いて天子(漢孝武帝劉徹)は使者を遣(つか)わし、郡国の倉廥(くらとまぐさを入れておくくら)を虚(から)にして貧民に振(ほどこす)させるを以ってした。
猶不足又募豪富人相貸假
猶(なお)足(た)らず、また豪富人を募(つの)り、貸仮(かしあたえる)して相(補佐)させた。
尚不能相救乃徙貧民於關以西
尚(なお)救(すく)うを相(補佐)することができず、そこで貧民を関以西に徙(移す)し、
及充朔方以南新秦中七十餘萬口衣食皆仰給縣官
朔方に充(あ)てるに南新秦中の七十余万人口を以ってするに及んで、衣食は皆(みな)県官に給(たまう)を仰(あお)いだ。
數歲假予產業使者分部護之冠蓋相望
数年して、仮(一時の)に産業を予(あたえる)し、使者は部所に分(わか)れてこれを護(まも)り、冠蓋(かんむりと車のかさ)が相(つぎつぎと)望まれた。
其費以億計不可勝數於是縣官大空
その費用は億を以って計(かぞえる)し、すべて数えあげることはできない。ここに於いて県官は大いに空(から)になった。
その明くる年、山東が水菑(水害)を被(こうむ)り、民の多くが饑乏(うえてたりない)した。
於是天子遣使者虛郡國倉廥以振貧民
ここに於いて天子(漢孝武帝劉徹)は使者を遣(つか)わし、郡国の倉廥(くらとまぐさを入れておくくら)を虚(から)にして貧民に振(ほどこす)させるを以ってした。
猶不足又募豪富人相貸假
猶(なお)足(た)らず、また豪富人を募(つの)り、貸仮(かしあたえる)して相(補佐)させた。
尚不能相救乃徙貧民於關以西
尚(なお)救(すく)うを相(補佐)することができず、そこで貧民を関以西に徙(移す)し、
及充朔方以南新秦中七十餘萬口衣食皆仰給縣官
朔方に充(あ)てるに南新秦中の七十余万人口を以ってするに及んで、衣食は皆(みな)県官に給(たまう)を仰(あお)いだ。
數歲假予產業使者分部護之冠蓋相望
数年して、仮(一時の)に産業を予(あたえる)し、使者は部所に分(わか)れてこれを護(まも)り、冠蓋(かんむりと車のかさ)が相(つぎつぎと)望まれた。
其費以億計不可勝數於是縣官大空
その費用は億を以って計(かぞえる)し、すべて数えあげることはできない。ここに於いて県官は大いに空(から)になった。