其明年淮南衡山江都王謀反跡見
其明年淮南衡山江都王謀反跡見 その明くる年、淮南、衡山、江都王の謀反(むほん)の跡(あと)が見(あら)われ、 而公卿尋端治之竟其黨與 しこうして、公、卿は端(発端)を尋(たず)ねてこれを治(とりしらべる)し、その党与(組をつくっているなかま)を竟(きわめる)し、 而坐死者數萬人長吏益慘急而法令明察...
View Article其明年驃騎仍再出擊胡
其明年驃騎仍再出擊胡獲首四萬 その明くる年、漢驃騎將軍霍去病が仍再(つづけて再度)胡(匈奴)に出撃し、首を獲(と)ること四万人。 其秋渾邪王率數萬之眾來降於是漢發車二萬乘迎之 その秋、渾邪王が数万人の衆を率(ひき)いて来降(降服に来る)し、ここに於いて漢は車二万台を発してこれを迎(むか)えた。 既至受賞賜及有功之士是歲費凡百餘巨萬...
View Article其後番系欲省底柱之漕
其後番系欲省底柱之漕穿汾河渠以為溉田作者數萬人 その後、河東守番系が底柱(砥柱)の漕(船で物を運ぶ)を省(かえり)みて、汾、河の渠(ほりわり)を穿(うが)って、溉田(田を灌漑する)するを以ってすることを欲し、作業者は数万人。 鄭當時為渭漕渠回遠鑿直渠自長安至華陰作者數萬人...
View Article天子為伐胡盛養馬
天子為伐胡盛養馬馬之來食長安者數萬匹 天子(漢孝武帝劉徹)は胡(匈奴)を伐(討つ)するために、馬を盛んに養い、馬の長安に食べに来るものは数万頭、 卒牽掌者關中不足乃調旁近郡 卒(にわかに)に牽掌(思いのままにひっぱる)者が関中には不足して、そこで傍(かたわ)らの近郡に調(とりたてて調整する)べた。 而胡降者皆衣食縣官縣官不給...
View Article其明年山東被水菑民多饑乏
其明年山東被水菑民多饑乏 その明くる年、山東が水菑(水害)を被(こうむ)り、民の多くが饑乏(うえてたりない)した。 於是天子遣使者虛郡國倉廥以振貧民 ここに於いて天子(漢孝武帝劉徹)は使者を遣(つか)わし、郡国の倉廥(くらとまぐさを入れておくくら)を虚(から)にして貧民に振(ほどこす)させるを以ってした。 猶不足又募豪富人相貸假...
View Article而富商大賈或蹛財
而富商大賈或蹛財役貧轉轂百數 しこうして、富商大賈の或(あ)るものは、財(ざい)を蹛(たくわえる)して、貧人を役(働かせる)させて、轂(こしき 車輪の軸を受けるまるい部分)を転(ころ)がすは百台を以って数え(以百数?)、 廢居居邑封君皆低首仰給 局(時局 居=局?)に廃(売る (蓄財を売る))して邑(むら)に局(まげる (こしきをまげてたちよる)...
View Article於是天子與公卿議
於是天子與公卿議更錢造幣以贍用 ここに於いて天子(漢孝武帝劉徹)は公、卿とともに議(ぎ)し、銭(金属の貨幣)を更(あらためる)にし、幣(ぜに)を造(つく)り贍用(多く用いる)を以ってし、 而摧浮淫并兼之徒 しこうして、浮淫(行いが軽薄であること)、并兼(道理を知らずよこしま? 并=蔽? 兼=険?)の徒(なかま)を摧(くだく)した。 是時禁苑有白鹿而少府多銀錫...
View Article有司言曰古者
有司言曰古者皮幣諸侯以聘享 有司が言った曰く、「古(いにしえ)は、皮幣は、諸侯が聘享(訪問して献上する)を以ってしました。 金有三等黃金為上白金為中赤金為下 金属には三等級が有り、黄金は上級と為り、白金が中級と為り、赤金が下級と為ります。 今半兩錢法重四銖而姦或盜摩錢裏取鋊...
View Article又造銀錫為白金
又造銀錫為白金 また、銀、錫(すず)を造って白金をつくった。 以為天用莫如龍地用莫如馬人用莫如龜故白金三品 天が用いるは龍に如(およぶ)くものはなく、地が用いるに馬に如(およぶ)くものはなく、人が用いるに亀に如(およぶ)ものはないと為すを以って、故(ゆえ)に白金の三品は、 其一曰重八兩圜之其文龍名曰白選直三千...
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於是以東郭咸陽孔僅為大農丞領鹽鐵事 ここに於いて東郭咸陽、孔僅を以って大農丞と為し、塩鉄事を領(つかさどる)させ、 桑弘羊以計算用事侍中 桑弘羊は計算を以って事に用いられ侍中になった。 咸陽齊之大煮鹽孔僅南陽大冶 東郭咸陽は斉の大煮塩者(製塩業)で、孔僅は南陽の大冶(鍛冶職)者で、 皆致生累千金故鄭當時進言之...
View Article故吏皆(通)適令伐棘上林
故吏皆(通)適令伐棘上林作昆明池 故(前)の吏(役人)は皆(みな)ひどく(通(つう)=痛(つう)?)適(こらしめる)し、令(れい)して上林で棘(いばら)を伐(木をきる)させ、昆明池を作らせた。 其明年大將軍驃騎大出擊胡得首虜八九萬級賞賜五十萬金...
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大農上鹽鐵丞孔僅咸陽言山海天地之藏也 大農丞(上=丞(じょう)?)塩鉄丞の孔僅、咸陽は言った、「山、海は天地の蔵(くら)であり、 皆宜屬少府陛下不私以屬大農佐賦 皆(みな)宜(よろ)しく少府に属(つらなる)し、陛下は私(自分のものにする)さず、大農の租賦(佐賦=租賦? 税金)に属(あつめる)するを以ってするべきです。 願募民自給費因官器作煮鹽官與牢盆...
View Article敢私鑄鐵器煮鹽者
敢私鑄鐵器煮鹽者釱左趾沒入其器物 敢(あ)えて私(個人的に)鉄器を鋳(い)たり、塩を煮る者は、左の趾(あし)に釱(あしかせ)をして、その器物を没入します。 郡不出鐵者置小鐵官便屬在所縣 郡の鉄を出(産出)さないものは、小鐵官を置いて、在所(ざいしょ くにもと)の県を便属(つごうよくつきしたがわせる)させます」と。 使孔僅東郭咸陽乘傳舉行天下鹽鐵...
View Article商賈以幣之變多積貨逐利
商賈以幣之變多積貨逐利 商賈は幣の変を以って多くが貨を積んで利を逐(追求する)した。 於是公卿言郡國頗被菑害 ここに於いて公卿は言った、「郡国は頗(すこぶ)る災害を被(こうむ)り、 貧民無產業者募徙廣饒之地 貧民の産業を無くした者は、募(つの)って広饒(広く豊か)な地に徙(移す)しました。 陛下損膳省用出禁錢以振元元貸賦...
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異時算軺車賈人緡錢皆有差請算如故 異時(他日)、軺車(小さい車 使者の乗るくるま)、賈人の緡錢(貨幣の穴になわをさしてまとめたもの)に算(計算する)するは、皆(みな)差(さ)が有り、算は故(まえ)の如(ごと)くすることを請(こ)う。 諸賈人末作貰貸賣買居邑稽諸物及商以取利者 諸(もろもろ)の賈人の末作(商人)は貰貸(かけがい?)して売買し、邑に局(こしきをまげてたちよる...
View Article諸作有租及鑄率緡錢四千一算
諸作有租及鑄率緡錢四千一算 諸(もろもろ)の作するもので租及び税(鋳=税?)を有するものは、緡錢四千(縄で銭の穴に通した銭四千枚?)に一算(或いは選で一万銭? 或いは白金の白選は一枚で三千銭にあたるので白選の選(さん)より一算は三千銭? 米一石が高いときで一万銭)を率(計算する)する。 非吏比者三老北邊騎士軺車以一算...
View Article有能告者以其半畀之
有能告者以其半畀之賈人有市籍者及其家屬 告げることができる者が有れば、その半分を以ってこれに畀(あたえる)します。賈人の市籍を有する者、及びその家属は、 皆無得籍名田以便農敢犯令沒入田僮 皆(みな)名田に籍を得ること無くし、農に便するを以ってします。敢(あ)えて令を犯(おか)せば、田、僮(召使)を没入(没収)します」と。 天子乃思卜式之言召拜式為中郎...
View Article式入山牧十餘歲
式入山牧十餘歲羊致千餘頭買田宅 卜式は山に入って牧(放牧)すること十余年、羊(ひつじ)は千余頭に致(いたす)り、田宅を買った。 而其弟盡破其業式輒復分予弟者數矣 しこうしてその弟はその業(田畜)を尽破(すべてやぶれる)し、卜式は輒(そのたびごとに)に復(また)弟に分け与(あた)えることたびたびであった。 是時漢方數使將擊匈奴卜式上書願輸家之半縣官助邊...
View Article使者曰茍如此子何欲而然
使者曰茍如此子何欲而然 使者曰く、「茍(かりにも)此の如(ごと)くするのは、子(なんじ)が何を欲して然(しか)りなのか?」と。 式曰天子誅匈奴愚以為賢者宜死節於邊 卜式曰く、「天子が匈奴を誅(ちゅう)し、愚(自分を謙遜していう言葉)は、賢者は宜(よろ)しく辺境に於いて節に死するべきで、 有財者宜輸委如此而匈奴可滅也...
View Article弘曰此非人情不軌之臣
弘曰此非人情不軌之臣不可以為化而亂法願陛下勿許 漢丞相公孫弘は曰く、「此れは人の情では非(あら)ず、不軌(軌道をはずれる)の臣下であり、教化を為すを以ってすることができずして法を乱(みだ)します。願わくは陛下は許(ききいれる)することなかれ」と。 於是上久不報式數歲乃罷式 ここに於いて上(漢孝武帝劉徹)は久しく卜式に報(こたえる)いず、数年してそこで卜式を罷(しりぞける)した。 式歸復田牧...
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