齊相卜式上書曰臣聞主憂臣辱南越反
斉相卜式は上書して曰く、「わたしは聞きます、主(あるじ)の憂(うれ)いは臣下の辱(はずかし)め、と。南越が叛(そむ)き、
臣願父子與齊習船者往死之天子下詔曰
わたしは願います、父と子は斉の船に習熟した者とともに往きこれに死することを」と。天子(漢孝武帝劉徹)は詔(みことのり)を下して曰く、
卜式雖躬耕牧不以為利有餘輒助縣官之用
「卜式は躬(みずから)耕牧をし、利(り)を為そうとは思わす、余りが有れば輒(そのたびごとに)に県官の用(財力)を助けた。
今天下不幸有急而式奮願父子死之雖未戰可謂義形於內
今、天下は不幸にも急が有り、しこうして卜式はふるって父子がこれに死することを願い、未だ戦っていないと雖(いえど)も、義(ぎ)が内(うち)に形(あらわれる)していると謂(い)うべきである。
賜爵關內侯金六十斤田十頃
爵の関内侯、金六十斤(=六十金 馬一頭が高いときで百金)、田十頃(一頃は約1.7ヘクタール)を賜(たま)わる」と。
布告天下天下莫應
天下に布告したが、天下には応ずるものはいなかった。
列侯以百數皆莫求從軍擊羌越
列侯は百を以って数えたが、皆(みな)従軍して羌、越を撃つことを求めるものはいなかった。
斉相卜式は上書して曰く、「わたしは聞きます、主(あるじ)の憂(うれ)いは臣下の辱(はずかし)め、と。南越が叛(そむ)き、
臣願父子與齊習船者往死之天子下詔曰
わたしは願います、父と子は斉の船に習熟した者とともに往きこれに死することを」と。天子(漢孝武帝劉徹)は詔(みことのり)を下して曰く、
卜式雖躬耕牧不以為利有餘輒助縣官之用
「卜式は躬(みずから)耕牧をし、利(り)を為そうとは思わす、余りが有れば輒(そのたびごとに)に県官の用(財力)を助けた。
今天下不幸有急而式奮願父子死之雖未戰可謂義形於內
今、天下は不幸にも急が有り、しこうして卜式はふるって父子がこれに死することを願い、未だ戦っていないと雖(いえど)も、義(ぎ)が内(うち)に形(あらわれる)していると謂(い)うべきである。
賜爵關內侯金六十斤田十頃
爵の関内侯、金六十斤(=六十金 馬一頭が高いときで百金)、田十頃(一頃は約1.7ヘクタール)を賜(たま)わる」と。
布告天下天下莫應
天下に布告したが、天下には応ずるものはいなかった。
列侯以百數皆莫求從軍擊羌越
列侯は百を以って数えたが、皆(みな)従軍して羌、越を撃つことを求めるものはいなかった。