故庶人之富者或累巨萬而貧者或不厭糟糠
故(ゆえ)に庶人の富者の或(あ)るものは巨万を累積(るいせき)し、しこうして貧者の或(あ)るものは糟糠(粗末な食べ物のたとえ)でも厭(いと)わず、
有國彊者或并群小以臣諸侯而弱國或絕祀而滅世
国を有する強者の或(あ)るものは、群小(多くの小さいもの)を併(あわ)せて諸侯を臣下にするを以ってし、しこうして、弱国の或(あ)るものは祭祀を絶(た)やして世代を滅ぼした。
以至於秦卒并海內
秦に至るを以って、卒(とうとう)、海内を併(あわ)せた。
虞夏之幣金為三品或黃或白或赤
虞夏(虞(帝舜の国)、夏(帝禹の国))の幣は、金属では三つの品を作り、或(あ)るものは黄金、或(あ)るものは白(銀、錫)、或(あ)るものは赤(銅)で、
或錢或布或刀或龜貝
或(あ)るものは銭(金属の貨幣)、或(あ)るものは布、或(あ)るものは刀、或(あ)るものは亀(かめ)貝(かい)であった。
及至秦中一國之幣為(三)[二]等黃金以溢名為上幣
秦に至るに及び、一国の幣を鋳(い)る(中=鋳?)に二等級を作り、黄金は溢名(あふれる評判 ぜいたくなきこえ)を以って、「上幣(上等級の貨幣)」と為し、
銅錢識曰半兩重如其文為下幣
銅銭(どうせん)は識(書き記す)して曰く半両(十二銖)、と。重さはその文(文字)の如(ごと)くして、「下幣(下等級の貨幣)」と為した。
故(ゆえ)に庶人の富者の或(あ)るものは巨万を累積(るいせき)し、しこうして貧者の或(あ)るものは糟糠(粗末な食べ物のたとえ)でも厭(いと)わず、
有國彊者或并群小以臣諸侯而弱國或絕祀而滅世
国を有する強者の或(あ)るものは、群小(多くの小さいもの)を併(あわ)せて諸侯を臣下にするを以ってし、しこうして、弱国の或(あ)るものは祭祀を絶(た)やして世代を滅ぼした。
以至於秦卒并海內
秦に至るを以って、卒(とうとう)、海内を併(あわ)せた。
虞夏之幣金為三品或黃或白或赤
虞夏(虞(帝舜の国)、夏(帝禹の国))の幣は、金属では三つの品を作り、或(あ)るものは黄金、或(あ)るものは白(銀、錫)、或(あ)るものは赤(銅)で、
或錢或布或刀或龜貝
或(あ)るものは銭(金属の貨幣)、或(あ)るものは布、或(あ)るものは刀、或(あ)るものは亀(かめ)貝(かい)であった。
及至秦中一國之幣為(三)[二]等黃金以溢名為上幣
秦に至るに及び、一国の幣を鋳(い)る(中=鋳?)に二等級を作り、黄金は溢名(あふれる評判 ぜいたくなきこえ)を以って、「上幣(上等級の貨幣)」と為し、
銅錢識曰半兩重如其文為下幣
銅銭(どうせん)は識(書き記す)して曰く半両(十二銖)、と。重さはその文(文字)の如(ごと)くして、「下幣(下等級の貨幣)」と為した。