又東三百里曰勾檷之山

又東三百里曰勾檷之山其上多玉

また東へ三百里（一里１５０ｍ換算で約４５ｋｍ）、曰く勾檷の山と。その上には玉が多く、

其下多黃金其木多櫟柘其草多芍藥

その下には黄金が多く、その木は櫟（くぬぎ）、柘（やまぐわ）が多く、その草は芍薬（しゃくやく）が多い。

又東一百五十里曰風雨之山其上多白金

また東へ一百五十里（一里１５０ｍ換算で約２２．５ｋｍ）、曰く風雨の山と。その上には白い金（金属）が多く、

其下多石涅其木多棷樿多楊

その下には石涅（石のような黒土）が多く、その木は棷、樿が多く、楊が多い。

宣余之水出焉東流注于江其中多蛇

宣余の水が出でて、東に流れて江に注ぐ。その中には鳶（とび　蛇（イー）＝鳶（エン）？）が多い。

其獸多閭麋多麈豹虎其鳥多白鷮

その獣は鹿（しか　閭（ロ）＝鹿（ロク）？）、麋（おおじかの一種）が多く、麈（おおじかの一種）、豹（ひょう）、虎（とら）が多い。その鳥は白い鷮（おおやまどり）が多い。

又東北二百里曰玉山其陽多銅其陰多赤金

また東北へ二百里（一里１５０ｍ換算で約３０ｋｍ）、曰く玉山と。その陽（南側）のは銅が多く、その陰（北側）には赤い金（金属）が多い。

其木多豫樟楢杻其獸多豕鹿麢㚟其鳥多鴆

その木は 豫樟（クスノキ科の一種？）、楢（なら）、杻（もちのき）が多く、その獣は豕鹿（＝葱聾と書けてゴーラル？既出）、麢、㚟が多く、その鳥は隼（はやぶさ　鴆（チン）＝隼（スン）？）が多い。