又西五十里曰涿山

又西五十里曰涿山其木多穀柞杻其陽多㻬琈之玉

また西へ五十里（一里１５０ｍ換算で約７．５ｋｍ）、曰く涿山と。その木は穀（ミズナラ？既出）、柞（ははそ）、杻（もちのき）、が多く、その陽（南側）には㻬琈の玉が多い。

又西七十里曰丙山其木多梓檀多弞杻

また西へ七十里（一里１５０ｍ換算で約１０．５ｋｍ）、曰く丙山と。その木は梓（あずさ）、 檀（香木）が多く、弞、杻（もちのき）が多い。

凡首陽山之首自首山至于丙山凡九山二百六十七里

凡（およ）そ首陽山の首（依拠する）は首（陽）山より丙山に至る、凡（およ）そ九山で、二百六十七里（一里１５０ｍ換算で約４０．０５ｋｍ）。

其神狀皆龍身而人面

その神の状（かたち）な皆（みな）、鵅（ふくろう　龍（ロン）＝鵅（ルオ）？）のような身（からだ）にして、鵅（ふくろう　人（レン）＝鵅（ルオ）？）のような面（かお）である。（おそらく前出のオナガフクロウ？）

其祠之毛用一雄雞瘞糈用五種之糈

そのこれを祠（まつる）の望（祭名　毛（モウ）＝望（モウ）？）は、一つの璋（礼器の一つ　雄（ション）＝璋（ショウ）？）、圭（礼器の一つ　雞（ケイ）＝圭（ケイ）？）、璜（礼器の一つ　瘞（エイ）＝璜（オウ）？）を用い、糈（神に供える米）は、五種類の糈（稌、稲、秠、稗、稷の五種類？既出）を用いる。

堵山冢也其祠之少牢具羞酒祠嬰毛一璧瘞

堵山は岧（高い山　冢（チョウ）＝岧（チョウ）？）である。その、これを祠（まつる）は、少牢具（少ないごちそう）、醇酒（味わいの濃い酒　羞（シュウ）＝醇（シュン）？）の酒（さけ　祠（シ）＝酒（シュ）？）で、禜または禋（祭名　嬰（エイ）＝禜（エイ）、禋（イン）？）の望（祭名　毛（モウ）＝望（モウ）？）には、一つの璧（礼器の一つ）、璜（礼器の一つ　瘞（エイ）＝璜（オウ）？）である。

騩山帝也其祠羞酒太牢其合巫祝二人儛嬰一璧

騩山は、𡷠（山が高くけわしさま　帝（テイ）＝𡷠（トウ）？）である。その祠（まつり）は、醇酒（味わいの濃い酒　羞（シュウ）＝醇（シュン）？）、太牢具（最上等のごちそう　其＝具？）で、祼（酒を地にそそぎ、神の降臨を願う祭り　合（ゴウ）＝祼（カン）？）は巫祝（神につかえる者）二人が祓（はらう　きよめる　儛（ブ）＝祓（フツ）？）する。禜または禋（祭名　嬰（エイ）＝禜（エイ）、禋（イン）？）には一つの璧（礼器の一つ）である。