譯人傳辭皆跪
譯人傳辭皆跪 訳人(通訳)が辞(ことば)を伝えるとき、跬(片足 皆(カイ)=跬(コイ)?)は跪(ひざまづく)し、 手據地竊語 手は地面を據(おさえる)え、窃語(小声で話す)する。 用刑嚴急殺人者死 刑を用いるときは厳急(きびしい)で、人を殺した者は死刑、 沒其家人為奴婢 その家族を罰(罪にあてる 没(ボツ)=罰(バツ)?)して、奴婢(男のしもべと女のしもべ)にする。
View Article竊盜一責十二
竊盜一責十二 窃盗は一に対し十二を贖(あがなう 責(シャク)=贖(ショク)?)う。 男女淫婦人妬皆殺之 男女の淫、婦人の妬(嫉妬)は、皆これを紲(しばる 殺(サツ)=紲(セツ)?)する。 尤憎妬已殺 尤(もっと)も妬(嫉妬)を憎み、縛(しば)ってから、 尸之國南山上至腐爛 これを国の南の山の上に置(すてる 尸(シー)=置(チー)?)き、腐乱(爛(ラン)=乱(ラン)?)に至らせる。 女家欲得...
View Article兄死妻嫂與匈奴同俗
兄死妻嫂與匈奴同俗 兄が死ぬと嫂(あによめ)を妻(めあわす)にする。匈奴と同じ俗(ならわし)である。 其國善養牲 その国は弋(いぐるみ 養(ヨウ)=弋(ヨク)?)、射(弓術 牲(ショウ)=射(ショー)?)が善(上手い)である。 出名馬赤玉貂狖美珠 名馬、赤玉、貂狖(コウライテン?)、美しい珠(真珠)を産出する。 珠大者如酸棗 珠(真珠)の大きいものは小(ちいさい...
View Article以弓矢刀矛為兵
以弓矢刀矛為兵 弓矢、刀、矛(ほこ)を以て兵(戦い)をする。 家家自有鎧仗 家々は自(みずか)ら鎧仗(よろいと武器)を所有する。 國之耆老自說古之亡人 国の耆老(老人)は時(ときどき 自(ジ)=時(ジ)?)古(いにしえ)の武人(ぶじん 亡(ボウ)=武(ブ)?)を説(と)く。
View Article作城柵皆員有似牢獄
作城柵皆員有似牢獄 城柵、高垣(高い垣根 皆(カイ)=高(コウ)? 員(イン)=垣(エン)?)を作り、小(ちいさい 似(シー)=小(ショウ)?)さい牢獄が有る。 行道晝夜無老幼皆歌 道を行くとき、昼も夜も、老人も子供も無く皆(みな)歌い、 通日聲不絕 一日を通して、声が絶えない。
View Article有軍事亦祭天
有軍事亦祭天 軍事が有れば、また天を祭り、 殺牛觀蹄以占吉凶 牛を殺して、蹄(ヒヅメ)を観(み)て、吉凶を占うを以てする。 蹄解者為凶合者為吉 蹄が開(ひらく 解(カイ)=開(カイ)?)くのは凶と為し、合(とじる)するのは吉と為す。
View Article有敵諸加自戰
有敵諸加自戰 敵が有れば、諸加(もろもろの官)は自ら戦い、 下戶俱擔糧飲食之 下戸(豪民)は俱(とも)に糧飲を擔(担当する)し、これに食す。 其死夏月皆用氷 その死には、夏月は皆(みな)氷を用いる。 殺人徇葬多者百數 人を殺して徇葬し、多いものは百幾人である。 厚葬有槨無棺 厚く葬り、槨が有って、棺は無い。
View Article夫餘本屬玄菟
夫餘本屬玄菟 夫余(ピョンヤン?音より)は本(もと)は玄菟(ケソン? 音より)に属していた。 漢末,公孫度雄張海東 漢の末、公孫度の雄(強い)は海東に張(ひろげる)し、 威服外夷 威は外夷を服させた。 夫餘王尉仇台更屬遼東 夫余王の尉仇台は更(あらためる)に遼東(=仁川(インチョン)? 遼(リョウ)=仁(レン)? 東(トン→チョン)=川(チョン)?)に属した。
View Article時句麗鮮卑彊
時句麗鮮卑彊 時に句麗(=高麗と読めて、広開土王碑のある鴨緑江(弱水?=高麗江とも読めます 緑(ルー)=弱(ルオ)=麗(レイ)?)のほとり辺りの国? 広開土王とは高麗大王と読めます)、鮮卑(=南浦(ナムポ)?)は強く、 度以夫餘在二虜之間 公孫度(遼東(仁川?)の出身)は夫余(ピョンヤン?)が二つの虜(敵)の間に在るのを以て、 妻以宗女 妻(娘を嫁にやる)は宗女(一族の娘)を以てした。
View Article尉仇台死簡位居立
尉仇台死簡位居立 尉仇台が死に、簡位居が立った。 無適子有孽子麻余 適子(正妻の子)が無く、孽子(妾の子)の麻余がいた。 位居死諸加共立麻余 簡位居が死ぬと、諸加は共(とも)に麻余を立てた。
View Article牛加兄子名位居為大使
牛加兄子名位居為大使 牛加の兄の子の名は位居といい、大使に為った。 輕財善施國人附之 財を軽んじ、施しを善しとし、国人はこれに附(従う)した。歲歲遣使詣京都貢獻 毎年、使者を遣わし京都に詣でさせ、貢献した。
View Article正始中幽州刺史毌丘儉討句麗
正始中幽州刺史毌丘儉討句麗 正始年間中、幽州の刺史(地方長官=四出(前出)? 刺(シ)=四(シ)? 史(シー)=出(スイ)?)の毌丘儉が句麗(高麗?)を討とうとして、 遣玄菟太守王頎詣夫餘 玄菟太守王頎を遣わし夫余に詣でさせた。 位居遣大加郊迎供軍糧 位居は大加(豬加?)を遣わし郊迎させ、軍糧を(毌丘儉軍に)供(支給する)した。
View Article季父牛加有二心
季父牛加有二心 季父(叔父)の牛加には二心が有って、 位居殺季父父子 位居は叔父の父子(おやこ)を紲(牢屋にいれる 殺(サツ)=紲(セツ)?)し、 籍沒財物遣使簿斂送官 財物を籍没(財産を取り上げる 籍(セキ)=積(セキ)?)し、使者を遣わし、簿斂(取り立てたものを帳簿に記録する)させて官に送った。
View Article舊夫餘俗水旱不調
舊夫餘俗水旱不調 旧(昔の)夫余の俗(ならわし)は、水(おおみず)、旱(日照り)が不調で、 五糓不熟輙歸咎於王 五穀が熟さなければ、輙(そのたびごとに)に咎(とが)を王に帰し、 或言當易或言當殺 或るものは易(王家の交代)に当たると言い、或るものは紲(牢に入れる 殺(サツ)=紲(セツ)?)に当たると言った。
View Article麻余死其子依慮年六歲立以為王
麻余死其子依慮年六歲立以為王 麻余が死に、そも子の依慮が年六歳で立って、王と為るを以てした。 漢時夫餘王葬用玉匣 漢の時、夫余王の葬儀には玉匣(玉珪と書けて、宝石と水晶の意味? 匣(コウ)=珪(ケイ)?)を用い、 常豫以付玄菟郡 常(つね)に居(おく 予(ヨ)=居(キョ)?)するは玄菟郡に庫(しまう 付(フ)=庫(ク)?)するを以てし、 王死則迎取以葬 王が死ねば、行取(取りに行く...
View Article今夫餘庫有玉璧珪瓚數代之物
公孫淵伏誅玄菟庫猶有玉匣一具 公孫淵が誅(罪をとがめて殺す)に伏した。玄菟庫には猶(なお)玉珪(匣=珪?)一式が有った。 今夫餘庫有玉璧珪瓚數代之物 今、扶余庫には玉璧、珪、瓚の数代の物が有り、 傳世以為寶 代々伝えて、宝と為すを以てする。 耆老言先代之所賜也 耆老(老人)が先代の賜る所を言うは、 其印文言濊王之印 その印文は濊王の印と言う。 國有故城名濊城蓋本濊貊之地...
View Article三国志魏書 高句麗伝 始め
高句麗在遼東之東千里 高句麗(ソウル?)は遼東(仁川(インチョン)?音より)の東一千里(一里150m換算で約150辧|録泙猟樟婆鵤毅悪辧腺沓記勸未一千里の大まかな目安になります)で、 南與朝鮮 南に朝鮮(=大田(テジョン)? 音より)、濊貊濊貊(安東(アントン)?)と、 東與沃沮 東に沃沮(=江陵(カンヌン)?)と、 北與夫餘接 北に夫余(=平壌(ピョンヤン)?音より)と接する。
View Article都於丸都之下
都於丸都之下 丸都(=盆地と書けます。 丸(ワン)=盆(ボン)? 都(ツ)=地(チ)?)の下(もと)に都(みやこ)し、 方可二千里戶三萬 二千里(一里150m換算で約300辧忙擁呂△蝓戸数は三万。 多大山深谷無原澤 大きい山や深い谷が多く、原(平原)や沢は無い。 隨山谷以為居食澗水 山谷に随(よりそう)して、居(すまい)をつくるを以てし、澗水(漢江?)に食(生計をたてる)する。
View Article無良田雖力佃作
無良田雖力佃作 良田は無く、佃作(農業に従事する)に努力すると雖(いえど)も、 不足以實口腹 口腹(飲食)を実(満たす)するを以てするには不足し、 其俗節食 その世俗は食を節する。 好治宮室 宮室(王室?)を治めることを好み、 於所居之左右立大屋 居(すまい)するところの左右に、大きい廡(屋根のある渡り廊下? 屋(ウー)=廡(ウー)?)を立て、 祭鬼神 鬼神を祭り 又祠靈星社稷...
View Article其人性凶急善寇鈔
其人性凶急善寇鈔 その人性(人の性格)は凶急(よこしまでせっかち)で、寇鈔(集団で略奪する)が善(上手い)である。 其國有王其官有相加對盧沛者 その国には王がいて、その官には、相加、対盧、沛者 古雛加主簿優台丞使者皁衣先人 古雛加主簿優台丞使者皁衣先人が有り、 尊卑各有等級 尊卑は各(おのおの)に等級が有る。
View Article