高麗出戰多不利
高麗出戰多不利皆嬰城固守 高麗は戦いに出でたが多くが不利で、皆、嬰城固守（城をめぐらして固く守る）した。 帝令諸軍攻之又敕諸將高麗若降即宜撫納不得縱兵入 帝は諸軍に令してこれを攻めさせた。又、諸将に敕（みことのり）して、高麗が若し降伏すれば、即ち、宜しく撫納（落ち着かせ終わりにする）するべし。兵を縦（放つ）して入ることはならない」と。 城將陷賊輒言降諸將奉旨不敢赴機...
View Article如此者三
如此者三帝不悟由是食盡師老轉輸不繼諸軍多敗績於是班師 此の如くが三度、帝は悟らず。是れ由り食は尽きて、師（軍隊）は労（つかれる 老（ロウ）＝労（ロウ）？）し、転輸は継がれず、諸軍は多くが敗績（大敗）し、ここに於いて師（軍隊）を返（もとにもどす 班（ハン）＝返（ハン）？）した。 是行也，唯于遼水西拔賊武邏，置遼東郡及通定鎮而還...
View Article九年帝復親征
九年帝復親征敕諸軍以便宜從事 九年（６１３）、帝は復（また）親（みずから）征し、諸軍に敕（みことのり）し、便宜を以て従事させた。 諸將分道攻城賊勢日蹙 諸将は道を分けて城を攻め、賊の勢いは日に日に蹙（きわまる）した。 會楊玄感作亂帝大懼即日六軍並還 会（ちょうどこのとき）、楊玄感が作乱し、帝は大いに懼れて、即日に六軍は並（みな）、還った。
View Article兵部侍郎斛斯政亡入高麗
兵部侍郎斛斯政亡入高麗高麗具知事實盡銳來追殿軍多敗 兵部侍郎斛斯政が高麗に亡入（逃げ入る）し、高麗は具（つぶさ）に事実を知り、鋭利（切れ味がするどい 来（ライ）＝利（リー）？）を尽くして殿軍を追い、多くが敗けた。 十年又發天下兵會盜賊蜂起所在阻絕軍多失期 十年（６１４）、又、天下の兵を発した。会（ちょうどそのとき）、盗賊が蜂起して、在する所は阻絶（交通が止まる）し、軍は多くが期を失った。
View Article至遼水高麗亦困弊
至遼水高麗亦困弊遣使乞降因送斛斯政贖罪 遼水（漢江？）に至ると、高麗も亦、困弊し、使者を遣わして降伏を乞い、斛斯政を送ることに因りて罪を贖（あがな）おうとした。 帝許之頓懷遠鎮受其降仍以俘囚軍實歸 帝はこれを許し、懐遠鎮に頓（駐屯する）して、その降伏を受けた。仍（すなわち）、俘囚（斛斯政？）を以て、軍は即（すぐに 実（シー）＝即（チー）？）に帰った。 至京師以高麗使親告太廟因拘留之...
View Article北史 百済伝 始め
百濟之國蓋馬韓之屬也出自索離國 百済の国は、馬韓の属を併（あわせる 蓋（ホー）＝併（ヘイ）？）せ、索離国（北夷 三国志魏書 夫余伝より、 おそらく索離国＝豆莫婁国（北夫余）？ 魏書より、 東明（鄒牟（朱蒙））の出自は北扶余 広開土王碑文より）より出でる。 其王出行其侍兒於後妊娠王還欲殺之 その王が出行したとき、その侍兒が後に妊娠した。王は還ると、これを殺そうと欲した。...
View Article後生男王置之豕牢
後生男王置之豕牢豕以口氣噓之不死後徙于馬闌亦如之 後に男を生んだ。王はこれを豕牢（ぶた小屋）に置いた。豕は孚気（はぐくむ気持ち 口（ク）＝孚（フ）？）を以てこれに乳（ちちを飲ませて育てる 噓（シュイ）＝乳（ジュ）？）したので、死ななかった。後に馬闌（馬小屋）に徙（うつす）したが、亦（また）これの如くだった。 王以爲神命養之名曰東明及長善射王忌其猛復欲殺之...
View Article東明之後有仇台篤於仁信始立國于帶方故地
東明之後有仇台篤於仁信始立國于帶方故地 東明の後に仇台がいて、仁信に於いて篤く、始めて国を帯方の故地（おそらく牙山市辺り？）に立てた。 漢遼東太守公孫度以女妻之遂爲東夷強國 漢の遼東太守（仁川辺り？）の公孫度は女（むすめ）を以てこれに妻（めあわす）し、遂に東夷の強国と為った。 初以百家濟因號百濟 初めに百家を以て済（渡る）したので、因りて百済と号する。
View Article其國東極新羅
其國東極新羅北接高句麗西南俱限大海處小海南東西四百五十里南北九百餘里 その国の東の極（はて）は新羅、北は高句麗に接し、西、南は俱（とも）に大海に限られ、小海（黄海？）の南に処し、東西は四百五十里（一里１５０ｍ換算で約６７．５辧法南北は九百余里（一里１５０ｍ換算で約１３５厖召蝓法 其都曰居拔城亦曰固麻城...
View Article王姓餘氏
王姓餘氏號于羅瑕百姓呼爲鞬吉支夏言並王也 王の姓は余氏、号は于羅瑕（オラカと読めて、おそらく漢語のホワンシャ（皇帝）がなまったもの？ 于羅（オラ）→ホワン？ 瑕（シア）→シャ？）、百姓は呼ぶに、鞬吉支（ケンキシと読めて、韓臣智（韓の大長帥）の意味？音より）といい、夏（中国）の言で並（みな）王である。 王妻號于陸夏言妃也...
View Article官有十六品
官有十六品左平五人一品達率三十人二品恩率三品率四品杅率五品奈率六品已上冠飾銀華 官には十六品が有る。左平は五人で一品。達率は三十人で二品。恩率は三品。徳率は四品、杅率は五品、奈率は六品。以上は冠は銀の華を飾る。 將七品紫帶施八品皁帶 将徳は七品で紫の帯。施徳は八品で、皁（くろい）の帯。 固九品赤帶季十品青帶 固徳は九品で赤い帯。季徳は十品で青い帯。 對十一品文督十二品皆黃帶...
View Article自恩率以下官無常員
自恩率以下官無常員各有部司分掌衆務 恩率より以下は官には常員（定員）が無い。各には部司がいて、分かれて衆務を掌（つかさどる）する。內官有前內部穀內部內掠部外掠部馬部刀部功部藥部木部法陪後宮部 内官には前內部、穀內部、內掠部、外掠部、馬部、刀部、功部、薬部、木部、法陪、後宮部が有る。 外官有司軍部司徒部司空部司寇部點口部客部外舍部綢部日官部市部長吏三年一交代...
View Article都下有萬家
都下有萬家分爲五部曰上部前部中部下部後部部有五巷士庶居焉 都の下には万家が有り、分かれて五部を為す、曰く、上部、前部、中部、下部、後部と。部には五つの県（巷（コウ）＝県（ケン）？）が有り、士（士人）が庶（多く）居する。 部統兵五百人五方各有方領一人以達率爲之方佐貳之...
View Article其人雜有新羅高麗倭等亦有中國人
其人雜有新羅高麗倭等亦有中國人 その人は雑（まじる）で、新羅、高麗、倭などがいて、亦、中国人もいる。 其飲食衣服與高麗略同若朝拜祭祀其冠兩廂加翅戎事則不 その飲食、衣服は、高麗と略（ほぼ）同じである。朝拜祭祀におよぶときは、その冠の両側（廂（ソウ）＝側（ソク）？）に翅（はね）を加え、常時（ふだん 戎（ジュウ）＝常（ジョウ）？ 事（ジ）＝時（ジ）？）には則ち加えない。 拜謁之禮以兩手據地爲禮...
View Article主似袍而袖微大
主似袍而袖微大 裳（もすそ 似（シー）＝裳（ショウ））、裱（ひれ（領巾 婦人の首にかけるかざり布） 袍（ホウ）＝裱（ヒョウ）？）を着（つける 主（チュー）＝着（チュオ）？）け、袖が微（わずかに）に大きい。 兵有弓箭刀槊 兵器には弓箭（ゆみや）、刀槊（かたなとホコ）が有る。 俗重騎射兼愛墳史而秀異者頗解屬文能吏事...
View Article又知醫藥蓍龜與相術陰陽五行法
又知醫藥蓍龜與相術陰陽五行法 又、医薬、蓍龜（めどぎと亀の占い）、卜相術（与＝卜？）、陰陽五行法を知る。 有僧尼多寺塔而無道士 僧尼がいて寺塔が多いが、道士はいない。 有鼓角箜篌箏竽篪笛之樂投壺樗蒲弄珠握槊等雜戲尤尚奕棋。...
View Article賦稅以布絹絲麻及米等
賦稅以布絹絲麻及米等量歲豐儉差等輸之 賦稅は布、絹、糸、麻、及び米などを以てし、歳の豊倹（豊作と不作）、差等（等級）を量（はか）り、これを輸（納める）する。 其刑罰反叛退軍及殺人者斬 その刑罰は、反叛、退軍及び殺人者は斬刑。 盜者流其贓兩倍征之婦犯奸沒入夫家爲婢 盗者は流刑にして、その贓（盗んだ品物）の二倍でこれを征する。婦人が奸を犯せば、夫家（夫と妻（の関係？））を没入して婢（はしため）と為す。
View Article婚娶之禮略同華俗
婚娶之禮略同華俗 婚娶の礼は、略（ほぼ）、中華の俗と同じである。 父母及夫死者三年居服餘親則葬訖除之 父母、及び夫が死んだ者は、三年服喪に居する。余（そのほか）の親族は則ち、葬儀が訖（おわる）するとこれを除（喪があける）する。 土田濕氣候溫暖人皆山居 土田は湿っており、気候は温暖で、人は皆、山居する。 有巨栗其五穀雜果菜蔬及酒醴肴饌之屬多同於內地...
View Article唯無駝騾驢羊鵝鴨等
唯無駝騾驢羊鵝鴨等 唯（ただ）、駝（らくだ）、驢（ろば）、羊（ひつじ）、鵝（がちょう）、鴨（あひる）などはいない。 國中大姓有八族沙氏燕氏氏解氏真氏國氏木氏苗氏 国中の大姓には、八族が有る。沙氏、燕氏、氏、解氏、真氏、国氏、木氏、苗氏。 其王每以四仲月祭天及五帝之神立其始祖仇台之廟于國城，歲四祠之國西南人島居者十五所皆有城邑...
View Article魏延興二年
魏延興二年其王余慶始遣其冠軍將軍駙馬都尉弗斯侯長史余禮龍驤將軍帶方太守司馬張茂等上表自通 魏延興二年（４７２）、その王の余慶は、その冠軍將軍駙馬都尉弗斯侯長史余礼、龍驤将軍帯方太守司馬張茂らを遣わして上表し自ら通じることを始めた。 云臣與高麗源出夫餘先世之時篤崇舊款...
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