夷狄更相攻伐
夷狄更相攻伐 夷狄は更(こもごも)に相(あい)攻伐した。 唯不耐濊侯至今猶置功曹主簿諸曹 唯(ただ)、不耐、濊侯だけが今に至りて猶(なお)功曹、主簿諸曹を置き、 皆濊民作之 皆(みな)濊民がこれを作った。 沃沮諸邑落渠帥皆自稱三老則故縣國之制也 沃沮、諸邑落の渠帥は皆(みな)自ら三老と称した。すなわち故(前の)の県国の制である。 國小迫於大國之間遂臣屬句麗 国が小さく、大国の間に迫り、遂に句麗に臣属した。
View Article句麗復置其中大人
句麗復置其中大人為使者使相主領 句麗はまたその中に大人を置いて使者と為し、主領(首領)を相(補佐する)させた。 又使大加統責其租稅貊布魚鹽海中食物千里擔負致之 また大加をつかわしその租税、貊布、魚、塩、海中食物を統責させ、千里を擔負(背負う)してこれを致(届ける)させた。 又送其美女以為婢妾遇之如奴僕 またその美女を送らせ、婢妾と為すを以ってし、これを遇するは奴僕の如(ごと)くした。...
View Article其葬作大木槨長十餘丈開一頭作戶
其葬作大木槨長十餘丈開一頭作戶 その葬は大木の槨を作り、長さは十余丈(約30m)、径(直径 開(ケン)=径(ケイ)?)は一丈(約2.5m 頭(ズ)=丈(ジョウ)?)で、戸(部屋)を作る。 新死者皆假埋之才使覆形皮肉盡乃取骨置槨中 新死者は皆、これを仮に埋(土中にうめる)め、一年(才(サイ)=歳(サイ)?)して、形を覆(ほろびる)させ、皮肉が尽きてから、すなわち骨を取って、槨中に置く。...
View Article毌丘儉討句麗
毌丘儉討句麗句麗王宮奔沃沮遂進師擊之毌丘倹が句麗を討った。句麗王の宮は沃沮に奔(逃げる)し、遂に師(軍隊)を進めてこれを撃った。 沃沮邑落皆破之斬獲首虜三千餘級宮奔北沃沮 沃沮の村落は皆(みな)これを破り、首虜を斬獲すること三千余級、宮は北沃沮に奔(逃げる)した。 北沃沮一名置溝婁去南沃沮八百餘里...
View Article挹婁喜乘船寇鈔
挹婁喜乘船寇鈔北沃沮畏之挹婁は船の乗って寇鈔を喜(このむ)び、北沃沮はこれを畏れた。 夏月恒在山巖深穴中為守備 夏月は恒に山巌の深い穴の中にいて守備をする。 冬月氷凍船道不通乃下居村落 冬月は氷凍で、船の道が通じないので、乃ち下りて村落に居する。 王頎別遣追討宮盡其東界 王頎が別れて句麗王宮を追討に遣わし、その東界を尽くしたとき、 問其耆老海東復有人不...
View Article又言有一國亦在海中純女無男
又言有一國亦在海中純女無男 また言った、「一国が有ってまた海中に在り、純(もっぱら)女ばかりで男がいない」と。 又說得一布衣從海中浮出其身如中國人衣其兩袖長三丈 また説いた、「海中から浮かび出たある布衣を得た。その身頃は中国人の衣の如くで、その両袖は長さが三丈もあった」と。 又得一破船隨波出在海岸邊有一人項中復有面 また、「波のまにまに海の岸辺に現れたある難破船を得た。一人がいて頬(ほお...
View Article三国志魏書挹婁伝 始め
挹婁在夫餘東北千餘里大海挹婁(ウォンサン?)は夫余(ピョンヤン?)の東(夫余伝より)に五千余里(一里150m換算で約750辧)漫淵戰ぁ法畍沺淵Α次法 直線距離の二倍から三倍になります)、大海(日本海)に浜(せまる)している。 南與北沃沮接未知其北所極 南に北沃沮(コソン?)と席(位置 接(セツ)=席(セキ)?)し、未だその北の極まるところを知らない。 其土地多山險...
View Article有五糓牛馬麻布
有五糓牛馬麻布 五穀、牛、馬、麻布が有る。 人多勇力無大君長邑落各有大人 人は勇力が多い。大君長はおらず、邑落には各(おのおの)大人がいる。 處山林之間常穴居 山林の間に処(住む)して、常に穴居(穴の住居に住む)で、 大家深九梯以多為好 大家は九段のはしごの深さがあり、段が多いほど好いと為す。 土氣寒劇於夫餘 土地の気候は寒く、夫余より劇(きびしい)である。 其俗好養豬食其肉衣其皮...
View Article其弓長四尺力如弩矢用楛
其弓長四尺力如弩矢用楛 その弓の長さは四尺で、力は弩の如くで、矢には楛を用い、 長尺八寸青石為鏃古之肅慎氏之國也 長さは一尺八寸、青い石で鏃(やじり)をつくる、古の粛慎氏の国である。 善射射人皆入 射が善(上手い)で、人を射れば皆(みな)入る。 因矢施毒人中皆死 因りて矢には毒を施し、人が中(あた)れば皆死ぬ。 出赤玉好貂今所謂挹婁貂是也 赤玉、好貂(梁渠と書けて、コウライテン?山海経より...
View Article三国志魏書 濊伝 始め
濊南與辰韓北與高句麗沃沮接濊(=濊貊?高句麗伝より アントン?)は南に辰韓(テグ?)と、北に高句麗(ソウル?)、沃沮(カンヌン?)に席(位置 接(セツ)=席(セキ)?)し、 東窮大海今朝鮮之東皆其地也戶二萬 東は大海に極まり、今、朝鮮(テジョン?音より)の東は、皆(みな)その地である。二万戸。 昔箕子旣適朝鮮作八條之教以教之無門戶之閉而民不為盜...
View Article燕人衞滿魋結夷服復來王之
燕人衞滿魋結夷服復來王之 燕人の衛満が、魋結(さいづちまげ)、夷服で、また来て王(統治する)した。 漢武帝伐滅朝鮮分其地為四郡 漢武帝が朝鮮を伐滅し、その地を分けて四つの郡をつくった。 自是之後胡漢稍別 これの後より、胡と漢は稍(次第に)別れていった。(ここまでは朝鮮という同音の別の地域の話だと思います) 無大君長自漢已來 大君長はおらず、漢以来より、 其官有侯邑君三老統主下戶...
View Article其人性愿愨少嗜慾
其人性愿愨少嗜慾 その人の性質は愿愨(まじめである)で、嗜慾(欲)が少なく、 有廉恥不請句麗 廉恥(不正をはずかしく思うこと)が有り、句麗とは不肖(似ていない 請(ショウ)=肖(ショウ)?)である。 言語法俗大抵與句麗同 言語、法俗は大抵(たいてい)句麗と同じであるが、 衣服有異 衣服に異(ことなる)がある。
View Article男女衣皆著曲領
男女衣皆著曲領 男女の衣は皆、玉嬰(玉のくびかざり 曲(キョク)=玉(ギョク)? 領(レイ)=嬰(エイ)?)を著(身に着ける)し、 男子繫銀花廣數寸以為飾 男子は銀の花の広さ数寸を繫(つりさげる)して飾りと為すを以てする。 自單單大山領以西屬樂浪 単単大山領(ソベク山脈? 領=嶺(山脈)?)以西より楽浪に属し、 自領以東七縣都尉主之 嶺(山脈...
View Article後省都尉
後省都尉封其渠帥為侯今不耐濊皆其種也 後に都尉を省き、その渠帥を封じて侯と為した。今、不耐、濊は皆その種(たぐい)である。 漢末更屬句麗 漢末に改めて句麗に属した。 其俗重山川山川各有部分不得妄相涉入 その俗(ならわし)は山川を重んじ、山川には各(おのおの)名分(名前と本分 部(ブ)=名(ベイ)?)が有り、妄りに相渉り入ることができない。 同姓不婚多忌諱...
View Article有麻布蠶桑作緜
有麻布蠶桑作緜 麻布が有り、蚕桑で綿(絹布)を作る。 曉候星宿豫知年歲豐約 暁(あかつき)に星宿(星座)を候(うらなう)し、年の実りが豊作か約(ひかえめ 不作)かを予知する。 不以誅玉為寶 珠玉を以て宝と為すことはしない。 常用十月節祭天晝夜飲酒歌舞 常に十月節をもって天を祭り、昼夜、飲食歌舞をする。 名之為舞天又祭虎以為神 これを名付けて舞天と為す。また虎を祭り神と為すを以てする。...
View Article殺人者償死少寇盜
殺人者償死少寇盜 人を殺した者は死で償う。寇盜は少ない。 作矛長三丈或數人共持之能步戰 矛(ほこ)を作るは長さ三丈で、或いは数人でこれを共に持ち、歩戦に能(すぐれている)する。 樂浪檀弓出其地 楽浪檀弓はその地に出でる。 其海出班魚皮土地饒文豹 その海は班魚の皮を出だし、土地は饒(ゆたか)で肥沃(土地がよく肥えている 文(ブン)=肥(ヒ)? 豹(バオ)=沃(ウオ)?)である。 又出果下馬漢桓時獻之...
View Article正始六年樂浪太守劉茂
正始六年樂浪太守劉茂 正始六年、楽浪(テジョン?)太守の劉茂 帶方太守弓遵以領東濊屬句麗 帯方(テグ? 音より 帯(タイ)→テ 方(ホウ)→フー→グ)太守の弓遵は、領東(単単大山領(ソベク山脈?)の東)の濊(アントン?)が句麗(ソウル?)に属したのを以て、 興師伐之不耐侯等舉邑降 師(軍)を興してこれを討伐し、不耐侯らは邑を挙げて降伏した。 其八年詣闕朝貢詔更拜不耐濊王...
View Article三国志魏書 韓伝 始め
韓在帶方之南東西以海為限 韓は帯方(テグ?音より)の南に在り、東西(東と南?)が海を以って限りと為す。 南與倭接方可四千里 南に倭と席(位置する 接(セツ)=席(セキ)?)し、四千里(一里150m換算で約600辧忙擁呂△襦(地図上では直線で三分の一から二分の一の距離になります) 有三種一曰馬韓二曰辰韓三曰弁韓...
View Article各有長帥
各有長帥大者自名為臣智其次為邑借 おのおの長帥がいて、大きい者は自ら名乗るは臣智と為し、その次は邑借と為す。 散在山海間無城郭 山と海の間に散在し、城郭は無い。 有爰襄國、牟水國、桑外國、小石索國、大石索國、優休牟涿國、臣濆沽國、伯濟國、速盧不斯國、日華國、古誕者國、古離國、怒藍國、月支國、咨離牟盧國、素謂乾國、古爰國、莫盧國、卑離國、...
View Article臣智或加優呼
臣智或加優呼臣雲遣支報安邪踧支濆臣離兒不例拘邪秦支廉之號 臣智(大長帥(=大渠帥))、或いは加優(邑借(長帥)?)は臣雲遣支報、安邪踧支濆、臣離兒不例拘邪秦支廉の号で呼ぶ。 其官有魏率善邑君歸義侯中郎將都尉伯長 その官には魏率善、邑君、歸義侯、中郎將、都尉、伯長がある。 侯準旣僭號稱王為燕亡人衞滿所攻奪...
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