冀神祗垂感皇靈
冀神祗垂感皇靈洪復克達天庭 神祇（天の神と地の神 祗＝祇？）が皇霊（歴代の天子の霊）に矜（あわれみ 感（カン）＝矜（カン）？）を垂れ、洪復（鶴鶮と書けてタンチョウ？ 洪（ホン）＝鶴（ホー）？復（フク）＝鶮（フー）？）が、天庭（天子の宮廷）に降達（降り至る 克（コー）＝降（コウ）？）し、 宣暢臣志 臣（わたし）の志を宣暢（のべる）することを冀（こいねが）う。 雖旦聞夕沒永無餘恨...
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又云臣與高句麗源出夫餘 又、云う、「私は高句麗と源は夫余（ピョンヤン？ 音より）を出で、 先世之時篤崇舊款 先（初めの頃）の世の時は旧款（以前のまごころ）を篤崇(重んじる）していました。 其祖輕廢鄰好親率士眾陵踐臣境 その祖の（高句麗故国原王）は隣好を軽廃（軽んじて廃する）し、親（みずから）、士衆を率いて、わたしの国境地帯を陵踐（侵しふみつける）しました。
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臣祖須整旅電邁應機馳擊 わたしの祖の須（百済近仇首王）が旅（軍隊）を整え電邁（非常に速く行く）し、機に応じて撃（たたかう）に馳せ、 矢石暫交梟斬首 矢、石は散交（いりみだれて飛び交う 暫（サン）＝散（サン）？）し、（高句麗故国原王）の首を削斬（そぎきる 梟（シアオ）＝削（シアオ）？）しました。 自爾已來莫敢南顧 爾（これ）より以来、敢えて南に顧みることはありませんでした。
View Article自馮氏數終餘燼奔竄
自馮氏數終餘燼奔竄 馮氏が（後燕慕容氏を）簒襲（臣下が君主の位を奪い取ってうけつぐ 数（スウ）＝簒（サン）？ 終（シュウ）＝襲（シュウ）？）してより、余燼（（慕容氏に征伐された高句麗の）生き残り）が奔竄（走りのがれる）し、 醜類漸盛遂見陵逼 醜類（悪人の仲間（高句麗））は漸（しだいに）に盛んになり、遂に（百済に）陵逼（せまる）を見て、 構怨連禍三十餘載 怨みを構え禍（わざわい）を連ねること三十余年。...
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若天慈曲矜遠及無外 若し、天の慈（なさけをかける）しみの極（この上もない 曲（キョク）＝極（キョク）？）の矜（あわれみ）が、遠く、無限（むげん 外（ゲ）＝限（ゲン）？）に及び、 速遣一將來救臣國 速（すみやかに）く一人の将軍を遣わし、わたしの国を来救（来て救う）してくだされば、 當奉送鄙女執掃後宮...
View Article又云今有罪國自魚肉
又云今有罪國自魚肉 又云う、「今、（高句麗長寿王）は歳（年月 罪（サイ）＝歳（サイ）？）を有し、国は魚肉（おもうままになるもの）に至（いたる 自（シ）＝至（シ）？）り、 大臣強族戮殺無已 大臣、強族は、戮殺すること無已（やめない）で、 罪盈惡積民庶崩離 罪は盈（満ちる）し悪は積り、民は庶（多くが）崩離（ばらばらになる）しています。 是滅亡之期假手之秋也...
View Article且馮族士馬有鳥畜之戀
且馮族士馬有鳥畜之戀 且つ、馮族の士馬は、鳥畜の恋に有り、 樂浪諸郡懷首丘之心 楽浪の諸郡は、首丘の心（故郷を思うこと）を懐いています。 天威一舉有征無戰 天威が一に挙がれば、征が有って戦いは無し。
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臣雖不敏志效畢力 臣（わたし）は不敏と雖も、志は畢力(すべての力）を効（つくす）し、 當率所統承風響應 当（まさ）に統べる所を率いて、風を承けて響応します。 且高麗不義逆詐非一 且（そもそも）高麗は不義で、逆詐（さからいあざむく）は一つでは非（あら）ず、 外慕隗囂籓卑之辭 外に隗囂（前漢末の混乱時代の武将）の反覆（もとにもどす 籓（ハン）＝反（ハン）？ 卑（ヒ）＝覆（フ）？）の志（こころざし...
View Article或南通劉氏或北約蠕蠕
或南通劉氏或北約蠕蠕 或いは南に劉氏（南朝宋）に通い、或いは北に蠕蠕（国名）に約し、 共相脣齒謀陵王略 共に相（あい）脣齒（関係のもっとも深い間柄）で、王略（燕領（遼東半島の辺り？）？音より）を陵（侵す）することを謀（はか）るでしょう。 昔唐堯至聖致罰丹水 昔、唐堯（帝堯）は至聖（この上なく徳が優れている人）で、丹朱（帝堯の子 水（スイ）＝朱（シュ）？）を放（おいはらう...
View Article涓流之水宜早壅塞
涓流之水宜早壅塞 涓流(小さな流れ）の水（川）は、宜（よろ）しく早く壅塞（ふさぐ）するべきであり、 今若不取將貽後悔 今、若（も）し取らなければ、将（まさ）に後悔を貽（のこす）することでしょう。 去庚辰年後臣西界小石山北國海中見尸十餘 去る庚辰年の後、臣（わたし）は西界の小石山北国の海中で尸（しかばね）十余りを見ました。 並得衣器鞍勒視之非高麗之物...
View Article雖未委當深懷憤恚
雖未委當深懷憤恚 未（ま）だ委細（つぶさに 当（尚（ショウ））＝細（サイ）？）にしていないと雖（いえど）も、深く憤恚（腹をたてる）を懐きます。 昔宋戮申舟楚莊徒跣 昔、宋が申舟を戮（ころす）したとき、楚荘王は徒跣（くつもはかずに急いでかけつける？）し、 鷂撮放鳩信陵不食...
View Article夫以區區偏鄙
夫以區區偏鄙猶慕萬代之信 夫（それ）、区々（わずかの）偏鄙(辺鄙 片田舎）を以てしても、猶（なお）万代の信を慕い、 況陛下合氣天地勢傾山海 況（まして）や、陛下が天地に声（宣言する 気（ケ）＝声（ケイ）？）を号（さけぶ 合（ゴウ）＝号（ゴウ）？）すれば、勢いは山海を傾けることでしょう。 豈令小豎跨塞天逵 どうして小豎（高句麗）に天逵（天下の大通り）を隔塞（ふさぐ...
View Article顯祖以其僻遠冒險朝獻
顯祖以其僻遠冒險朝獻 顯祖(北魏献文帝 在位４６５～４７１）はその遠くを疲（つかれる 僻（ビー）＝疲（ヒ）？）れ、危険を冒（おか）して朝献したのを以て、 禮遇優厚遣使者邵安與其使俱還 礼は優厚に遇し、使者の邵安を遣わしてその使者とともに還した。 詔曰得表聞之無恙甚善 詔（みことのり）して曰く、「表を得てこれを聞き、恙（つつが）無きこと甚だ善（よ）ろしい。
View Article卿在東隅處五服之外
卿在東隅處五服之外 卿は東の隅に在り、五服の外に処し、 不遠山海歸誠魏闕 山海を遠しとせず、誠を魏闕に帰した。 欣嘉至意用戢於懷 至意（まごころ）を欣嘉（よろこびほめる）し、懐に容戢（おさめる 用（ヨウ）＝容（ヨウ）？）する。 朕承萬世之業君臨四海，統御群生 朕は万世の業を承け、四海に君臨し、群生（多くの人々）を統御する。
View Article今宇內清一八表歸義
今宇內清一八表歸義 今、宇内（天下）は清一で、八方（表（ヒョウ）＝方（ホウ）？）は義に帰し、 襁負而至者不可稱數風俗之和 襁負（子供をおびひもで背負って）して至る者は数えあげることができず、風俗の和、 士馬之盛皆餘禮等親所聞見 士馬の盛は、皆、余礼らが親（みずから）聞見（見聞）した所である。 卿與高麗不穆屢致陵犯 卿は高麗と不穆（仲が良くない）で、屢（しばしば）陵犯（侵犯）を致す。茍能順義守之以仁...
View Article前所遣使浮海以撫荒外之國
前所遣使浮海以撫荒外之國 前に遣わした所の使者は、海に浮かんで荒外の国を撫（な）でさせるを以てしたが、 從來積年往而不返存亡達否未能審悉 従来（今まで）年を積（かさねる）し、往ったまま返らず、存亡、達否は未だ審悉(くわしくつまびらかにする）することができていない。 卿所送鞍比校舊乘非中國之物 卿が送った所の鞍は形状（かたち 旧（キュウ）＝形（ケイ）？...
View Article又詔曰知高麗阻疆
又詔曰知高麗阻疆侵軼卿土 又、詔（みことのり）して曰く、「高麗は疆（境）を阻（はば）み、卿の土地に侵軼（侵し攻撃する）し、 修先君之舊怨棄息民之大 先君（故国原王）の旧怨を襲（うけつぐ 修（シュウ）＝襲（シュウ）？）し、息民（民を安心して休ませる）の大徳を棄て、 兵交累載難結荒邊 兵（たたかい）は累歳（連年...
View Article使兼申胥之誠國有楚越之急
使兼申胥之誠國有楚越之急 使者は申胥の誠を兼（しのぐ）し、国は楚越の急に有り、 乃應展義扶微乘機電舉 乃ち、応（まさに）義（正義）を展（つまびらかにする）し、微弱を扶（助ける）し、機に乗じて電挙（速く攻めおとす）するべきである。 但以高麗稱籓先朝供職日久 但（ただ）し、高麗は先朝に藩を称えるを以て、貢職（供（グ）＝貢（グ）？）する日は久しく、 於彼雖有自昔之釁於國未有犯令之愆...
View Article卿使命始通便求致伐
卿使命始通便求致伐 卿は命（運命）をして通を始めようと、便（その機会に）に討伐を致すことを求め、 尋討事會理亦未周 事の怪（あやしみ 会（カイ）＝怪（カイ）？）を尋討（聞きただす）したが、理は亦、未周（まだととのわなかった）であった。
View Article故往年遣禮等至平壤
故往年遣禮等至平壤欲驗其由狀 故（ゆえ）に往年（先年）に余礼ら(百済の使者）を遣わして平城（北魏の都 壌（ジョウ）＝城（ジョウ）？）に至らせ、その由状（関係性）を験（しらべる）することを欲した。 然高麗奏請頻煩辭理俱詣 然るに、高麗は奏請（そうせい 天子に上奏しておさしずを仰ぐ）すること頻繁（煩（ハン）＝繁（ハン）？）で、辞（言葉）は理（道理）があり、詣（造詣？）を俱（そなわる）し、...
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